今日は、朝から気分は低空飛行である。
■明け方の電話から それは始まった-10
結果が全てと言う者がいる。
過程が大切だと言う者もいる。
どちらでも良い・・・
真の評価なんてものは、誰にも出来ないものなのだから。
物事には、見えないモノが沢山有る。
遅ればせながら、ヤツの実家から家族が来る・・・と、
会社から連絡が入った。
僕はまだ面識が無い。
しかし、
僕の存在・立場は説明がされているハズだった。
そう・・・「ハズ」
巨大な待合室。
人・人・人。
話し声が騒音と化し、蜜蜂の巣の様だ。
その中から、
ヤツと同じ顔を見つけた。
一瞬笑いそうになったが、何とかこらえた。
「お母さんですね・・・この度は・・・」
と、年老いたヤツの母親に丁重に挨拶を仕掛けた僕。
「この泥棒ネコめが!!!!○△※☆■・・・」
・・・響き渡る激しい罵声。罵声。罵声。
瞬間、真空になった様に周囲が静まり返った。
何が起きたか理解出来なかった。
軽く百人以上はいるフロアの目。目。目。
僕に向かっている。
なおも罵声は続く。
・・・周囲に人が集まり始めた。
絵に描いた様な 野次馬と当事者との距離感だ。
その女性の傍らに
いかにも「カタギでは無い」と思える2人。
その瞬間、僕は悟った・・・
そ~言う事か・・・
婚約とは名ばかりで、
離婚書類は、とっくに出したと言っていたね・・・
嘘だったのか・・・笑えるぜ。
・・・後に分かった事だが、ヤツのサインはされていたそうだ。
協議で決着が付いていたにも関わらず、
あちらが、提出を拒んだらしい。
・・・まぁ、信じよう。
人生波風ばかりだったせいか
多少の事には動揺しない・・・出来ない?のが、
果たして良いのか悪いのか。
母はオロオロし目には、涙が溢れている。
硬直状態だ。
危篤だと言うのにヤツラの発する言葉に耳を疑った。
「宿泊はアイツの家にする。案内しろ」
・・・そこの家具は、全て僕が買ったものだ。
「アイツが駄目になったら、会社を貰う覚悟しておけ」
・・・笑わせてくれるな。
「どれぐらい儲かってるんだ え?」
・・・お前らに渡るなら、今すぐに潰してしまおう。
「会社は近いのか? 連れて行け」
・・・クズ共め・・・
心の中で僕はつぶやいた。
ヤツの家庭環境、生い立ち・・・
これで一冊の本が書ける様な、これまたレアな人生。
そして、また一つ・・・追加だ。
全員をブン殴りたくなった。
取り巻く群衆を掻き分け、電話の所まで行く。
僕の感情は、完全フラットに近かった。
会社へ電話をする。
取り次いだ従業員には心配を掛けたくない。
軽くいつもの冗談・軽口を叩く。
そして、仲間に電話を取り次がせた。
フラットだった感情が、一気に爆発した。
・・・と言うより、これが僕の本来なのだが。
仲間はこの時初めて、僕の本性を知っただろう。
普段の低姿勢、ほがらか、調和・・・吹き飛んだ。
「全員の持ち株数、すぐ調べろ」
「・・・え?何で」
・・・声も違えば・口調も違う僕に動揺している。
「ぐだぐだ言ってんじゃねぇ! 直ぐに調べろ!」
「わ・・・分かった」
・・・誰も頼れないのは、最初から分かっている。
こんなヤツらを相手じゃ、
彼らは一言も発する事さえ出来ないだろう。
なんとか、3人の株数で、代表の持ち株数を上回った。
まずは、これで良い。
さて、片付けるか・・・。
病院に迷惑が掛かる為、近くにホテルの部屋を取る。
時々、父との血のつながりを実感する。
物静かな彼は、
目的があれば、豹変して淡々と冷徹に相手を追い込む。
追い込むんだ。
血は争えないね、父さん(笑)
カタギで無い生き物を2匹連れ、
ヤツラの度胸がどこまで据わっているか
僕のゲームが始まった。
この時の彼らの顔は、一生忘れない。
城を守る為なら、何にでもなりましょう。
それが今の僕に出来る事。
この話は、余談レベル。
ほんの余談に過ぎない・・・
その後、何事も無かったかの様に、ヤツラを病室に案内する。
「ご家族の方」と医者が呼んだ時に、
ヤツラは、こう言った。
「家族だけでお話しをお聞きします」と。
・・・僕の目の前で、ドアが閉じられた。
これまでの数年間、そしてこの数日
一番苦しい時、
食べるものも無かった時期、
貧乏どん底で、会社を立ち上げる数年。
支えるどころか、たかる だけの君達。
いかにも、今だからこそ、家族の名乗りを上げるんだね。
僕は急におかしくなって、
廊下でゲラッゲラ笑ってしまった。
僕の平和は、どこにあるんだろう・・・
ドカっと、イスに腰を下ろし 再び天井を見つめた。
ニヤリ。
これもまた、人生なり。
そして、まだまだ僕は落ち着けない日々を送る事となる。
・・・今日は一番、嫌な部分の思い出だ。
続きはまた・・・
■明け方の電話から それは始まった-10
結果が全てと言う者がいる。
過程が大切だと言う者もいる。
どちらでも良い・・・
真の評価なんてものは、誰にも出来ないものなのだから。
物事には、見えないモノが沢山有る。
遅ればせながら、ヤツの実家から家族が来る・・・と、
会社から連絡が入った。
僕はまだ面識が無い。
しかし、
僕の存在・立場は説明がされているハズだった。
そう・・・「ハズ」
巨大な待合室。
人・人・人。
話し声が騒音と化し、蜜蜂の巣の様だ。
その中から、
ヤツと同じ顔を見つけた。
一瞬笑いそうになったが、何とかこらえた。
「お母さんですね・・・この度は・・・」
と、年老いたヤツの母親に丁重に挨拶を仕掛けた僕。
「この泥棒ネコめが!!!!○△※☆■・・・」
・・・響き渡る激しい罵声。罵声。罵声。
瞬間、真空になった様に周囲が静まり返った。
何が起きたか理解出来なかった。
軽く百人以上はいるフロアの目。目。目。
僕に向かっている。
なおも罵声は続く。
・・・周囲に人が集まり始めた。
絵に描いた様な 野次馬と当事者との距離感だ。
その女性の傍らに
いかにも「カタギでは無い」と思える2人。
その瞬間、僕は悟った・・・
そ~言う事か・・・
婚約とは名ばかりで、
離婚書類は、とっくに出したと言っていたね・・・
嘘だったのか・・・笑えるぜ。
・・・後に分かった事だが、ヤツのサインはされていたそうだ。
協議で決着が付いていたにも関わらず、
あちらが、提出を拒んだらしい。
・・・まぁ、信じよう。
人生波風ばかりだったせいか
多少の事には動揺しない・・・出来ない?のが、
果たして良いのか悪いのか。
母はオロオロし目には、涙が溢れている。
硬直状態だ。
危篤だと言うのにヤツラの発する言葉に耳を疑った。
「宿泊はアイツの家にする。案内しろ」
・・・そこの家具は、全て僕が買ったものだ。
「アイツが駄目になったら、会社を貰う覚悟しておけ」
・・・笑わせてくれるな。
「どれぐらい儲かってるんだ え?」
・・・お前らに渡るなら、今すぐに潰してしまおう。
「会社は近いのか? 連れて行け」
・・・クズ共め・・・
心の中で僕はつぶやいた。
ヤツの家庭環境、生い立ち・・・
これで一冊の本が書ける様な、これまたレアな人生。
そして、また一つ・・・追加だ。
全員をブン殴りたくなった。
取り巻く群衆を掻き分け、電話の所まで行く。
僕の感情は、完全フラットに近かった。
会社へ電話をする。
取り次いだ従業員には心配を掛けたくない。
軽くいつもの冗談・軽口を叩く。
そして、仲間に電話を取り次がせた。
フラットだった感情が、一気に爆発した。
・・・と言うより、これが僕の本来なのだが。
仲間はこの時初めて、僕の本性を知っただろう。
普段の低姿勢、ほがらか、調和・・・吹き飛んだ。
「全員の持ち株数、すぐ調べろ」
「・・・え?何で」
・・・声も違えば・口調も違う僕に動揺している。
「ぐだぐだ言ってんじゃねぇ! 直ぐに調べろ!」
「わ・・・分かった」
・・・誰も頼れないのは、最初から分かっている。
こんなヤツらを相手じゃ、
彼らは一言も発する事さえ出来ないだろう。
なんとか、3人の株数で、代表の持ち株数を上回った。
まずは、これで良い。
さて、片付けるか・・・。
病院に迷惑が掛かる為、近くにホテルの部屋を取る。
時々、父との血のつながりを実感する。
物静かな彼は、
目的があれば、豹変して淡々と冷徹に相手を追い込む。
追い込むんだ。
血は争えないね、父さん(笑)
カタギで無い生き物を2匹連れ、
ヤツラの度胸がどこまで据わっているか
僕のゲームが始まった。
この時の彼らの顔は、一生忘れない。
城を守る為なら、何にでもなりましょう。
それが今の僕に出来る事。
この話は、余談レベル。
ほんの余談に過ぎない・・・
その後、何事も無かったかの様に、ヤツラを病室に案内する。
「ご家族の方」と医者が呼んだ時に、
ヤツラは、こう言った。
「家族だけでお話しをお聞きします」と。
・・・僕の目の前で、ドアが閉じられた。
これまでの数年間、そしてこの数日
一番苦しい時、
食べるものも無かった時期、
貧乏どん底で、会社を立ち上げる数年。
支えるどころか、たかる だけの君達。
いかにも、今だからこそ、家族の名乗りを上げるんだね。
僕は急におかしくなって、
廊下でゲラッゲラ笑ってしまった。
僕の平和は、どこにあるんだろう・・・
ドカっと、イスに腰を下ろし 再び天井を見つめた。
ニヤリ。
これもまた、人生なり。
そして、まだまだ僕は落ち着けない日々を送る事となる。
・・・今日は一番、嫌な部分の思い出だ。
続きはまた・・・
