いやはや、現場に行ってもサクッと東京へトンボ帰り、引き続き内業の日々ですよ。

先週の日曜、世界遺産って番組でギアナ高地が話題になっていた。ギアナ高地は世界遺産に選定されてから観光客が押し寄せるようになり、今ではテーブルマウンテンの上へもトレッキングできるような登山道も整備されているそうな。それに伴って、もともと下界に生育していた植物が、高地に分布範囲を広げているって話だ。自然にそうなってるなら問題はないが、自然じゃないから困るわけだ。事情はこうだ。トレッキングシューズの底とかについた種子が高地へ運ばれ、そこで種子が落ち、芽が出てって感じなのだ。しかも、テーブルマウンテンはそもそも栄養に乏しい岩盤で、植物の生育には適していなかったのだが、観光客の排泄物が栄養分となって生育に適した環境になってるって話しだ。


おととし、日本の川でコイヘルペスというコイの病気が流行り、各地で養殖魚の被害が相次ぎ、全国的な病気の蔓延が懸念された。そんでもって魚類調査等で河川に入る際は、ウェダーのソールをアルコール消毒するようにって発注者からお達しがあって、めんどくさかったがやったなぁ。だけど、コイヘルペスの話題が小さくなるのと同時に、そんな消毒作業は消えていった。

ニュージランドでは、今、ディディーモ という藻類の繁殖が生態系に影響を与えないだろうかと問題になっている。NZは釣り道具を持って入国する際、その道具類、特に川に入るウェダー類は厳しくチェックされる。僕もNZに釣りしに行ったが、きっちりと道具のチェックはされました。まぁ、ウェーディングシューズは新品だったから問題なかった。それにしても、空港でほとんど全ての荷物を開けてチェックされたもんだから、ザックに戻す際、細かな荷物の忘れ物があった。中心街に移動し、しばらく経ってから気がついたんだが、どうしても必要なものだったから空港へ行き、ダメ元で聞いてみたら、きっちり忘れ物として保管されていたのには、ちょっと驚いた。

このように、今や人間の活動によって、様々な生物が能力以上の機動力を得て新たな分布を広げているっての周知の話で、西ナイル熱がアメリカで発生だとか、飛行機とかで移動しちゃうのもいるんだもんなぁ。

外来魚や外国産の小動物とかが生態系を壊すとか、目に付きやすいものばかりが注目されているが、細菌レベルでみると、物凄いことになってんだろうなあと思った今日この頃である。