「私とデートしよ」

って冗談半分で言ってOKをもらって約1ヶ月半

本当にデートする日が来た

前日に作った照る照る坊主が効いたのか
予報とは違って雨は降らなかった


ただ朝は爽やかな目覚めとはいかなくて

隣の同棲カップルの喘ぎ声で起こされる最悪の状況

怒りに任せて怒鳴り散らしながら壁を蹴ったら穴が開いた

ルームシェアの相方Nに謝ると爆笑されて終わった

憂鬱な気分で穴をチェ・ゲバラのポストカードで隠した



凹んだ気分のまま用意して、メットを持って西小路の交差点で彼を待った



暫くしてバイクで来た彼

オフロードだとは知らなかったので驚いた

車高高いなぁ…
跨げるかなぁ……


と不安ばかり

なんとか乗って嵐山へ

ザ観光地


無計画にブラブラ

鴨とか見ながらブラブラ


そのうち嵐山にも飽きてきて

バイクで市内をブラブラ

天満宮の梅を見て

上賀茂神社に寄って、作って来たチースケーキをあげた


蹴上に行くつもりがたどり着かず

姉屋小路の一通を気づかずに無視してしまい

警察に止められるアクシデント

ビックリしてバイクから転落
バイク転ける

ゴメン
怪我とかよりバイク心配


彼が免許証見せたら
「奈良から来たんか…観光?」

と聞かれ

「嵐山言って来ました。」
と答えた

嘘はついてない

観光客ってことで許してもらえた


ありがとう京都府警
ごめんなさい京都府警

9000円払うつもりで二人して財布出してたけど、エエよって言ってもらえた


ご近所の軽トラのおっちゃんに心配される


なんとかアクシデントを乗り越えて

さらさ西陣で晩ご飯

ソファ席で横並びを指定


取り留めのない会話が続いた


日付が変わる前に家まで送ってもらって サヨウナラ

久しぶりにちゃんとしたデートしたなぁ
と感慨深くなるが、部屋に入ってチェ・ゲバラの顔を見たとたん一気に憂鬱になった

28日の次の日

Tから昨日はゴメンねと電話がかかってきた


よくよく話を聞くとあまり覚えてないらしい

自転車を木屋町に放置したままだし、これから取りに行くという


タクシー代が勿体無いので、私の自転車で2ケツして木屋町に向かうことに

ついでにランチデートしましょーってことになった


自転車で2ケツ

横乗りなんかしちゃって女子気分

たまに植木が私の足に当たって痛かった

Tのお腹に手を回しても何も言われなくて少し安心


木屋町に着いたら禁煙じゃないカフェ探し

無計画

そんなデートが気楽で好きだった


前の彼氏は無計画なんて許さなかった
きっちり向かう場所を決めてコースを決めて
堅苦しくていつも私は後ろをついて行くだけだった


「ドコ行く?」

「適当にブラブラして見つけよか」

そう言ってくれると笑顔になれた


明日のデートが楽しみと言ってその日は別れた


Tの自転車は撤去されていて、彼は千本三条まで取りに行ったとさ


Tから2月いっぱいでバイトを全て辞めると聞いていた

留学への準備のためだ


2月28日
木屋町のBARでのバイトがラストだと聞いて
Kと一緒に顔を出すことにした


日付が変わる少し前に店に到着

扉を開けた瞬間に大きな声が聞こえた

「おー!来てくれた!ありがとう」


小さなお店は満席状態でTがお客さんにどれだけ愛されているかがよく分かった

ただTはすでに酔っていた

いつも以上に高いテンション
回らない呂律
とりあえずずっと笑っていた


いくつかカクテルを作っていたが、暫くすると足が言うことを聞かなくなってきていた

マスターの配慮でカウンターから出てKの隣の席に座る


お客さんは入れ替わり立ち替わりいろんな人が来店した

私とKは結局閉店はいる覚悟を決めた


多分一人じゃ帰れないと思ったからだ

新しいお客さんがくるたびに一杯飲むT


トイレはグチャグチャになるわ

カウンターに突っ伏して寝るだすわ


そのうちバーテンダー仲間から脱がされて背中やお腹は落書き塗れに

私とTも背中にメッセージを書き込んだ


ふと目覚めたTがKの膝で寝直した

なんだか微笑ましくて何度も写真を撮った

「やっぱりKより椎ちゃんの膝がイイ」

と言い出したので、Kが私と席を交換した


私の膝で寝るTが無性に可愛かった


そのうちお客さんから叩き起こされて、飲め飲めとまた飲んで

結局朝5時にタクシーにTを放り込んだ


Kと2人で河原町三条のすき家に行って


「次のデートでちゅーぐらいしてやろうかな」

と言ったら止めとけと怒られた


だって駆け引きは苦手なんだ