ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

先週、りゅうちぇる(ryuuchell)さんが亡くなり、記事を書きました。

*以下、りゅうちぇるさんと書かせていただきます。

 

先週の記事でも書いたように、りゅうちぇるさんがSNSで華麗な女性姿を披露する度に、コメント欄は大炎上していました。

それが、亡くなると一転、誹謗中傷コメントを糾弾し、りゅうちぇるさんへの擁護・哀悼のコメントが多数起こり……と思っていたら、数は多くないが、まだ、りゅうちぇるさんを批判するコメントがあることにびっくりです。

 

もちろん、亡くなったからと言って、何でもすべて許されるわけではないし、犯罪行為があったのなら、死後でも糾弾すべきです。「死者に鞭打つ」行為も、絶対にダメとは言えません。

 

しかし、りゅうちぇるさんは、そんなに悪いことをしたのでしょうか?

犯罪行為は何もしていません。離婚はしましたが、今時、夫婦の3分の1は別れるとも言われてます。何より、夫婦や家族の問題で、他人がとやかく言うことではありません。

 

りゅうちぇるさんが結婚・息子誕生の後で「男性が好きだった」と言って離婚したことを責める人が多いようです。が、元妻ぺこさんが、話し合いの末に理解を示し、夫婦じゃなくなったが、3人で住んで一緒に子育てしていこうとしていたのです。ぺこさんの親も「りゅうちぇるは、今も私の息子」と言っていたのです。

 

当事者が理解・許容していたのに、無関係な他人が、なぜそこまで怒るのか、僕にはさっぱりわかりません。

ちなみに、僕は、りゅうちぇるさんをぺこさんとの結婚前からテレビで見てますが、ファンでもアンチでもありません。

「男性が好き」と告白し、「女装」するようになって「やっぱり」とは感じましたが、好きとも嫌いとも思いませんでした。

 

ただ、同じLGBT当事者として「公表する前もつらかっただろう」と思いつつ、「公表後の世間の目は厳しいなあ」「大丈夫かなあ」とは考えてました。

 

なんで、そこまで、りゅうちぇるさんが憎いのか?

と僕は考えて、氷川きよしさんを思い出しました。

 

氷川きよしさんは、りゅうちぇるさんよりずっと年上で、芸能界の大先輩です。デビュー当時は「男の子」で、売れてから「女性化」を始めたら、やはり誹謗中傷され、一昨年、事務所が法的処置を検討すると発表しました。

2人には、ちょっと共通するものを感じます。

 

氷川きよしさんについても、一昨年、僕は記事で書いています。

 

しかし、不思議です。

りゅうちぇるさんの場合は、「今更離婚するなんて無責任」とか「妻子がかわいそう」みたいな言い方が多かったです。

 

それに比べ、氷川きよしさんはずっと独身で、女性との噂すらありません。なのに、氷川きよしさんが女性化したとして、なぜ誹謗中傷されたのでしょう?

誹謗中傷した人は、氷川きよしさんの何が、そんなに憎かったのでしょうか?

 

いろいろ調べ、考えたのですが……。

りゅうちぇるさん同様というか、氷川きよしさんのデビュー当時はそれ以上に「男の子」のイメージでした。ステージ上では「元気」に振舞っていました。今から思えば、それは事務所からの「売れるため」の指示であって、氷川きよしさん自身、相当無理をしていたようですが……。

 

しかし、視聴者には裏の事情はわかりませんから、女性ファンなどは、歌だけでなく「元気な男の子」の氷川きよしさんを好きになり、応援したのでしょう。

 

それが、演歌界若手男性ナンバー1になり、日本有線放送大賞9回、紅白の白組大トリをつとめるなど、歌手として昇りつめた後、外見を女性化し始めたのです。

 

女性ファンなどからすれば、「なぜ?」「何があったの?」「男らしいきよしくんはどこへ行ったの?」という思いに至ったのはわかる気もします。しかし、それが誹謗中傷につながるのはダメですし、僕には理解不能です。

 

たとえば、りゅうちぇるさんや氷川きよしさんとは逆の例を挙げます。

 

宝塚歌劇団のトップスターのほとんどは「男役」の女性です。

りりしく、現実の男性にはないイケメンぶりに、夢中になる女性ファンはたくさんいます。

 

中でも熱烈なファンは、宝塚を退団した後も、応援し、「追っかけ」ます。

しかし、「男役スター」も、退団後は、女優や女性歌手になる例がほとんどです。

 

りりしい「男役」が、次第に女性になっていく姿を見て、熱烈なファンほど、次第に熱が冷めていくと言います。

そして、いつしか「元男役」の女優を応援しつつも、宝塚現役男役の中に、新たに熱狂できる対象を探します。

 

宝塚の男役は「一時的な性転換の場」と、ファンも心得ているから、男役スターが「女性」に戻っても、誹謗中傷を浴びることはありません。

 

氷川きよしさんも、りゅうちぇるさんも「男の子」は仮の姿でした。2人ともはっきりとは言ってませんが、性自認は「女性」でしょう。

 

しかし、美輪明宏さんやピーターさんのように、デビュー時から「女らしさ」を前面に出していける男性芸能人は多くありません。「同性愛」についても同様です。

 

芸能界も、世間も、異端の者に厳しいのです。「女装」「同性愛」を看板にして突き進むのは、大きなマイナスで、かなりのハンディキャップです。

 

氷川きよしさんも、りゅうちぇるさんも、自分に正直に生きたいという、やむにやまれぬ「女性化」だったのです。

もともとはファンなら、なぜそこをわかってあげないのでしょう?

 

いや、わかってあげられないなら、宝塚のように、他の人のファンに移ればいいのです。イケメン芸能人なんて、膨大な数いるのですから。

 

ゲイの友人ヒデオさん(仮名・50代) によると、

ヒデオ「熱烈なファンの中には依存している人がいるのよ。単なる応援じゃないのよ」

 

僕「依存? 直接会ったことも話したこともない芸能人に?」

 

ヒデオ「心のよりどころなのよ。実際の暮らしや人間関係に穴があいていて、その穴を『推し』の芸能人の存在で埋めてるの」

 

僕「その『推し』の芸能人がイメージチェンジしちゃうと……」

 

ヒデオ「穴が埋まらなくなるのよ。恋人の代わりだった芸能人に性別移行されたら、困るのよ」

 

僕「恋人の代わりだから、イメージチェンジして失望したからと言って、簡単には他のイケメンには乗り換えられない……」

 

ヒデオ「そういうこと。寂しくて、自立できてない人なのよ」

 

僕「でも、自殺に追い込んじゃダメだよね?」

 

ヒデオ「そりゃそうよ。そうならないためにも、寂しい人を放置しないでね」

 

僕「そうだね」

 

ヒデオ「そうだね……じゃなくて、目の前の寂しい人を何とかしてよ」

 

僕「え? ヒデオさんって寂しいの? メンタル最強かと思ってた!」

 

ヒデオ「繊細で、傷つきやすいの……助けて……」

 

僕「僕は、一応プロの占い師なので、ご相談は、30分につき1000円をいただきます」

 

ヒデオ「友達として、タダにしてよ!」

 

僕「考えときます」

 

ヒデオ「ケチ!」

 

僕「たった1000円を払いたくないなんて、どっちがケチ?」

 

ヒデオ「ブログ記事にアタシのこと書いたでしょ? 出演料と相殺にして!」

 

僕「うーん。どうしようかな……」

 

ヒデオ「悩むほどのこと?」

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この後は、無益な話なので、割愛させていただきます。

 

さて、今日の易タロットです。

↑「風山漸(ふうざんぜん)」

一昨日と同じカードです。

同じカードが2回続けて出るということは、伝わるべき人に「意図」が正しく伝わってないということ。

 

少しずつよくなって……ゆくゆくは願望成就ということなのですが、今はまだ「地道な努力」が必要なのです。

悲観することはありませんが、近道しようとしてもダメなのです。

 

いろんな都合や希望で、「〇月〇日までには、こうなりたい(ならなければ)」と考えても、そう簡単にはいきません。

あくまでも「少しずつ……」なのですから。