ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前のオンライン鑑定です。

タクミさん(仮名・50代ゲイ男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

タクミ「私のこれからの人生を占ってもらえますか?」

 

僕「これからの人生って漠然としてますね? 恋愛運とか、仕事運とか、特にここを知りたいっていうのはないんですか?」

 

タクミ「恋愛については……半ば諦めてます。2~3年前までは、アプリやったり、ゲイバー行ったりしていたんですが、誘っても誘っても、断られるんです。もちろん、待っていても、誰からも声はかかりません……」

 

僕「今までの恋愛経験は?」

 

タクミ「人並みにありますよ。大学入学で東京に出てきて、新宿のゲイバーに行き始めたら、行く度に違う男から誘われました」

 

僕「おモテになったのですね?」

 

タクミ「当時は、今と違って、髪の毛ありましたし……(今は髪の毛が少ない)、高校までは運動部でしたから、筋肉質でした。せっかくモテるのだから、それを生かそうと考えて、ウリ専ボーイの面接を2軒受けました」

 

僕「面接の結果は?」

 

タクミ「2軒とも合格です。全裸面接で『君なら、稼げる』って言われました」

 

僕「稼いだんですか?」

 

タクミ「いえ……。面接を受けた店とは別のウリ専ゲイバーに偵察に行ってみて……ウリ専で働くのはやめました」

 

僕「嫌なことがあったんですね?」

 

タクミ「……他のお客がボーイを指名するところを見たんです……」

 

僕「何か問題が?」

 

タクミ「指名されたボーイは、僕と同世代の学生に見えました。でも、お客の方は50~60代の、孫がいそうなしょぼくれた爺さんで……」

 

僕「ショックでしたか?」

 

タクミ「2人並んで店を出る姿を見て、ボーイがかわいそうで……。これから、どこかのホテルで、あの爺さんに好きなように弄ばれるって考えたら……人身売買みたいに見えて……」

 

僕「ボーイをやろうとする気が失せたんですね?」

 

タクミ「若さを利用して小遣い稼ぎしたいと考えたんですけど……あんな爺さんなんて……お金もらっても耐えられないと思いました」

 

僕「面接が受かってたウリ専の店は断った?」

 

タクミ「そのままバックレました。幸い、催促の電話もなかったです」

 

僕「結構あるのでしょうね? 面接受かったが『やっぱりやめた』っていう人……」

 

タクミ「20代くらいのゲイにとって、50代以上の男性ってあまり会わないし、声かけられない。声かけられたとしても眼中になくて無視するじゃないですか?」

 

僕「そうですね」

 

タクミ「50過ぎると性欲なくなるのかなと思っていたんですが……ウリ専買いに行っているんですね? 中高年のゲイって……」

 

僕「そういう人もいるでしょうね。それで、タクミさんはウリ専ボーイになるのはやめて、素人同士の出会いを?」

 

タクミ「そうです。声かけられて、つきあって……なんか違うと思って別れたり……自然消滅したり……。たくさんの男と付き合いました」

 

僕「出会いが途切れたのは、コロナの時ですか?」

 

タクミ「40歳前後から、頭が禿げてきて……実年齢より老けて見られるようになり……一気にモテなくなりました。コロナがなくても、出会いを諦めたと思います」

 

僕「40代でも50代でも、好きだというゲイ男性はいますよ。髪の毛や体形にコンプレックスがある人でも、探せばOKな人はいる……」

 

タクミ「私は、自分が好きにならなければダメなんです。もちろん、相手からも愛されたい……。片思いはつらいし、好きでもない人に思われても嬉しくありません」

 

僕「両想いが難しくて、恋愛は半ば諦めたと……?」

 

タクミ「せめてゲイ友は欲しいと思って、同世代のゲイと飲みに行ったりしていたんですが……」

 

僕「相手に下心があった?」

 

タクミ「いや、その逆です。相手から嫌われるんです」

 

僕「理由は?」

 

タクミ「私、お酒強くないんです。飲むと、すぐに記憶がなくなるんです」

 

僕「なにか、やらかしましたか?」

 

タクミ「先ほど言った、ウリ専の面接で『君なら稼げると言われた』とか『ゲイバーに行く度に知らない人から誘われる』って……酔って話したらしいんです」

 

僕「相手は、自慢話と受け取ったんですね?」

 

タクミ「まあ、自慢話なんですけど……。今の私は過去の自慢しかないんです。もう15年誰とも付き合ってないし、まともなセックスもしてない……。『最近どう?』って聞かれても、何も話すことないんです」

 

僕「かといって、ウリ専は利用したくない?」

 

タクミ「そうですね。ボーイの立場に立つと、私みたいな禿げオヤジの相手なんかしたくないだろうし……。金払って我慢させるのも気が引けるし……」

 

僕「ウリ専は、買う側も売る側も割り切りが必要ですね?」

 

タクミ「お金がないというのもあります。どうせ買うなら、できるだけいい子にしたい……でも、そんないい子を抱いたら、2度3度と逢瀬を重ねたくなる……老後の資金を使い果たしそうです」

 

僕「ウリ専買うのを我慢して、老後に備えているんですね?」

 

タクミ「そうなんです。おかげで、60歳まで働いて退職金をもらえば、65歳の年金支給までなんとか暮らせそうです」

 

僕「じゃあ、今後の人生設計に不安はないですね?」

 

タクミ「これといった不安はないです。これまでも1人で生きてきました。今後もなんとか1人で生きていく……というか、それしかないと達観はしてます。でも……」

 

僕「漠然とした不安がおありなのですね?」

 

タクミ「何歳まで元気でいられるのか? このまま尻すぼみの人生なのか?」

 

僕「尻すぼみって……平均寿命で言えば、まだ30年ありますよ」

 

タクミ「今、リモートワークなんですよ。毎日、朝から晩まで1人で家にいるんです。買い物も面倒で、つい配達を頼んでしまう……。宅配のオニイサンとしか会話しないんです」

 

僕「宅配のオニイサン……」

 

タクミ「オニイサンにコーヒーとか勧めて、仲良くなりたい……『配達終わったら、ご飯食べに来て』って誘いたいですが……」

 

僕「宅配員は、そういう誘いには、なかなか乗らないでしょうね」

 

タクミ「でしょうね。ノンケ(異性愛)男性でしょうから、男が誘ってもダメ……。いや、ゲイであっても、私みたいなのが誘っても、乗ってこないでしょうね」

 

僕「……」

 

タクミ「普段、パソコンやスマホだけが相手なので、そんな妄想ばかりです」

 

僕「で、占いは、これからの人生全般ですよね?」

 

タクミ「はい」

 

僕「先にうかがった生年月日・生誕地・生誕時刻によると、お体は頑健です。病気よりもケガなどに注意した方がいいです。ただ……」

 

タクミ「なんですか?」

 

僕「唯一気を付けなければならないのは、気持ちの……精神の病です」

 

タクミ「あまり、ネガティブに思いつめない方がいい?」

 

僕「そうですね」

 

タクミ「でも、ひとりでいると……ついネガティブなことを考えたり……昔のモテていた頃を思い出したり……」

 

僕「昔のモテていた思い出に浸るのはいいんじゃないですか?」

 

タクミ「でも、その後、我に返って、過去は戻らないと知って、落ち込むんです」

 

僕「ここに、裏向きのタロットカード78枚があります。1枚ずつ指さしますから、気になったカードがあったらおっしゃってください。めくりますから。タクミさんへのメッセージカードです」

 

タクミ「お願いします」

 

僕「では……ここから行きますよ……次の列に行って……」

 

タクミ「それ、めくってください」

 

僕「これですね?」

↑「カップの6」正位置。

少女に花束を渡している霊は、過去の思い出の象徴。

思い出が現在の幸せをつくる……ということです。

 

タクミ「過去の思い出が……?」

 

僕「もう1枚行きましょう。続きから行きますよ……」

 

タクミ「そのカード、お願いします」

↑「ワンドの兵士」正位置。

手紙・電話などの通信手段の象徴です。

現代なら、メールやLINEも含まれます。

 

タクミ「過去の思い出と通信? タイムマシンで過去に戻って……? そんなことも妄想しましたが……」

 

僕「タイムマシンは無理ですが、メールやLINEで過去とやりとりしたらどうですか?」

 

タクミ「どうやって?」

 

僕「過去にお付き合いした方にメール等で『お久しぶりです』『コロナ見舞い申し上げます』などと、連絡してはどうですか?」

 

タクミ「私の過去の付き合った相手は、もう50代60代ですが……」

 

僕「たくさんいらっしゃるのですよね? アドレスがわからなかったら、SNSで検索すれば、何人か見つかるのではないですか?」

 

タクミ「連絡して……?」

 

僕「言わばメル友ですよ。メールやSNSなら酔って自慢話してしまうことはないでしょう?」

 

タクミ「『会えないか?』って言われてしまったら?」

 

僕「会ってもいいし、会わないでメル友を続けるのもいいじゃないですか?」

 

タクミ「……」

 

僕「恋愛以外にも人間関係はあります。実際に会う以外にもあります。できることをしたらいいんじゃないですか?」

 

タクミ「……そうですね。TwitterとかFacebookとか……探してみます。でも……」

 

僕「何か?」

 

タクミ「相手が女性と結婚していたり……ゲイカップルで同棲していたりしたら?」

 

僕「メールだけなら、問題ないでしょう? まあ、嫌なら、他の人を当たってもいいです。たくさんいらっしゃるのですから」

 

タクミ「……そうですね。顔を合わさず、メールだけなら、お互いにがっかりもしないですね」

 

僕「できなくなったことや失った物に固執してもしかたありません。できることを楽しみましょう」

 

タクミ「……わかりました。ありがとうございました」

 

僕「ありがとうございました」

 

さて、今日の易タロットです。

↑「地水師」

戦さです。

怒りの感情からの個人的なものではダメです。

人が同意し、協調してくれるような「大義」が必要なのです。

 

我欲からの行動にならないように気を付けましょう。