ゲイ占い師 豫 空潤です。
少し前のメール鑑定です。
タカアキさん(仮名・60代ゲイ男性・地方在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。
タカアキ「私の寿命は、あとどれくらいですか?」
僕「教えていただいた生年月日・生誕地・生誕時刻によると、去年までが厄年で、今年はいい年ですよ。3年後には健康に気を付けてください。5年後はアクシデント注意です」
タカアキ「私、今は特に持病はないのですが、3年後に病気になるかもしれないのですね?」
僕「はい、お気を付けてください」
タカアキ「いっそ、早くお迎えが来て欲しいと思ってしまいますが……そんなこと言う奴に限って無駄に長生きするんですよね?」
僕「無駄な人生なんてないですよ。タカアキさんはまだ60代ですよね? お仕事をリタイアされたのですね? 今から好きなことできるじゃないですか?」
タカアキ「やりたいことと、やれることって違うんですよ。生きていても仕方ない……そんな気がするんです」
僕「差し支えなければ、具体的に教えていただけますか?」
タカアキ「私は中学生の時にゲイと自覚して、『自分に正直に生きよう。結婚はできない』と考え、今も独身です」
僕「いいじゃありませんか? 僕も戸籍上は独身です」
タカアキ「豫さんにはTommyさんがいるじゃないですか? 私は正真正銘の孤独なんです」
僕「お付き合いされた経験は?」
タカアキ「30年以上前、既婚ゲイ男性と1年ほどつきあいましたが、奥さんにバレそうになり、消滅しました」
僕「それ以来、ないのですか?」
タカアキ「その場限りの出会いはありましたよ。でも、次への約束はもらえなかった。ゲイって、そういうことが多いじゃないですか」
僕「そうですね」
タカアキ「特に、私が住むのは地方ですから、既婚ゲイ男性が多い。既婚者はいいですよね? 若い頃は遊んで……モテなくなると妻子のところに戻って、子どもや孫の相手して……」
僕「既婚ゲイ男性は、既婚ゲイ男性ならではの悩みがありますよ」
タカアキ「今の私からすれば、女性と結婚できるなら、したかった……。でも、私は女性相手ではデキませんから……。無理やり結婚したら、妻に『不能者』と呼ばれ、病院に送られたり、離婚して慰謝料とられたり……」
僕「独身を通して正解でしたよ」
タカアキ「そうですね。でも、つい、恨み言を言いたくなります。私は若い男の子が好きなんです。でも、そういう子とちゃんと付き合ったことはないし……その場限りの出会いでも、40歳からはまったく相手にされなくなり……」
僕「ゲイにとっては、40代が転換期ですね」
タカアキ「私は40歳からウリ専ボーイを買っていました……毎週のように、週末に近くの都会に行って……」
僕「どうでしたか?」
タカアキ「よかったですよ。中年ゲイからすると天使ですね。若くて、かわいらしくて、能動的にサービスしてくれるんですから」
僕「そうなのですね。毎週となるとお金がかかりますね?」
タカアキ「そうなんですよ。ホテル代もかかるし、セックスだけってのも味気ないので、朝までコースにしたり、食事をおごったり、チップをはずんだりすると……1回につき4~5万円かかりました」
僕「今も、毎週買っているんですか?」
タカアキ「いえいえ。60歳で定年になったら、諦めました。今は年金暮らしですから」
僕「60歳以後も再雇用制度がある職場が多くなっていますが……」
タカアキ「うちの会社は、そういう制度ありませんでした。だから、60歳から警備員をしましたが……大変でした」
僕「屋外での肉体労働ですよね?」
タカアキ「暑さ寒さもありますし、夜勤があるので、睡眠が不規則になり、寝たい時に眠れない……仕事の時に眠くなる……」
僕「大変でしたね」
タカアキ「1番つらかったのは、気分転換というか、癒しがなかったことですね。寝不足でボーっとしていて、何かしようという気にもならないし、薄給なのでボーイも買えない」
僕「同僚というか、警備員同士のお付き合いは?」
タカアキ「飲み会に誘われて1度だけ行きましたが、懲り懲りです。前職の自慢と孫や子ども自慢……相撲と野球とゴルフの話ばかりで……。まったく話が合わないんです」
僕「ノンケ(異性愛)男性の飲み会だと、そうなりがちですよね」
タカアキ「去年から年金をもらえるようになって……警備員辞めて、ホッとしました」
僕「よかったですね?」
タカアキ「よくはないです。年金だけだと、足りないのです」
僕「そうなのですか?」
タカアキ「家賃と食費、光熱費だけでなくなるんです。会社辞める時の退職金を崩してしのいでいます」
僕「先行きが不安ですよね?」
タカアキ「今思えば、ウリ専など買わずに、その金で家を買えばよかった……。20年間、毎月15万以上ウリ専に費やしてましたから、家1軒買えたはずなんです」
僕「今は賃貸にお住まいなのですね」
タカアキ「そう思いつつも、宝くじを買っては……大金が当たったら、またウリ専買いに行きたいと思ってるんです」
僕「……」
タカアキ「性欲って、何歳になったら枯れるのでしょうか? 落ち着くのでしょうか?」
僕「個人差がかなりあると思います。それに、性欲だけの話ではないと思います」
タカアキ「性欲だけではない?」
僕「人間って、誰かに頼りたいし、頼られたい……。でも、さほど親しくない人だとそれはできない……」
タカアキ「確かに、今の私には頼り、頼られる人はいません。親はとっくに亡くなったし、兄弟はすっかり疎遠です。ウリ専しか利用してないので、ゲイ友もいません……」
僕「今から作られたらどうですか? ノンケ(異性愛)でもいいじゃありませんか?」
タカアキ「私はお金がないので、無料の、公園での中高年の運動の集いに参加したことがあります」
僕「どうでしたか?」
タカアキ「運動って……主にジョギングなんですよ。私、走るの嫌いなんで……」
僕「歩くのはダメなんですか?」
タカアキ「走れない人は、早歩き。それもしたくない人は散歩なんです。私は散歩を選んだんです」
僕「いいじゃないですか?」
タカアキ「そしたら、周りは女性ばかりで、質問攻めに遭いました……」
僕「まさか……」
タカアキ「その『まさか』です。『子どもや孫はいるのか?』『奥さんは?』と聞かれて……。未婚だと答えると『バツ1だけど、女優さんみたいに若く見えてきれいな人を紹介する……』『40代未婚の料理上手な女性がいる』って。断るのが大変でした」
僕「中高年男性の独身は、女性が放っておかないですよね?」
タカアキ「ほんとうです。男の子を紹介してくれるなら飛びつきますけど……」
僕「そうはならないですよね」
タカアキ「東京には、『フケ専(中高年好き)』の若いゲイの子がいるんですよね?」
僕「僕自身、『フケ専』の気持ちがまったくわからないのですが……。上野や浅草にフケ専バーがあって、中高年ゲイの出会いの場になってますよ」
タカアキ「東京に行くと、泊まりになるし……ウリ専と変わらない額のお金がかかります」
僕「でも、若いパートナーが欲しいのですよね?」
タカアキ「フケ専の若いゲイの子は、金持ちのおじさんを求めるって聞きますが……」
僕「それはそうでしょうね」
タカアキ「ウリ専ボーイからも聞いたことがあるんです。ボーイを辞めたら、社長とか大地主とかに囲われたいって……」
僕「そうでしょうね」
タカアキ「私みたいなカツカツの暮らしの者は、どうすればいいのでしょうか? 男の平均寿命は80歳を超えましたよね? 体は健康でも、心が弱ってしまいます……」
僕「対面鑑定ですと、タカアキさんご自身に、メッセージとしてタロットカードを引いていただくんですが、メール鑑定なので、僕が代わりに引かせていただきました」
タカアキ「どんな結果が出たか、教えてください」
↑「隠者」正位置。
宇宙飛行士です。孤独でも、人とは違う景色を見て、人には気づかない発見をします。
それも人生の醍醐味でしょう。
↑「カップの若者」正位置。
巻貝に耳を澄ましています。
巻貝の音自体に意味はないと言いますが、ロマンを掻き立てられ、想像の世界に遊ぶのは悪いことではありません。
タカアキ「宇宙飛行士と巻貝の音?」
僕「1人でできて、お金のかからない趣味。たとえばインターネットです」
タカアキ「SNSとかいうものですか?」
僕「ゲイの投稿サイトもありますよ」
タカアキ「相手を募集するんですよね? どうせ私が投稿しても……」
僕「相手募集以外のもあります。たとえば、ゲイ体験の投稿とか……」
タカアキ「私のゲイ体験を書いて載せるんですか?」
僕「そうです。既婚者との悲しい別れとか……。ウリ専ボーイで誰がよかったとか……」
タカアキ「……それならできそうです。でも、私の体験談なんか、需要ありますかね?」
僕「需要は、サイト側が判断します。載っても報酬はないでしょうが……」
タカアキ「それ……面白そうですね」
僕「載せてもらえたら、コメントがついたりして……」
タカアキ「え? 私の体験談を読んでの感想コメントですか?」
僕「そういうサイトもありますよ」
タカアキ「私は体力ないし、手先も不器用なんですが、そういうことならできそうです。さっそくサイトを探します。ありがとうございました」
僕「ありがとうございました」
さて、今日の観音オラクルカードです。
↑15「象牙色の白鳥の女神」
象牙色の白鳥の女神とは、観音様のことですが、同時に、あなたの純粋な魂も、同じように光り輝いているということです。
あなたは、過去や現在のことなどで、罪悪感や自責の念を持っているかもしれません。しかし、魂の純粋さは変わりません。過ぎたことやどうしようもなかったことで、自分を責めても仕方ありません。
あなたの魂を見つめましょう。あなたの魂の純粋さを知らない者たちの言葉に惑わされてはなりません。あなたが、観音様の前で、「何ら恥じない」「これが正しい」と思えるなら、それでいいのです。
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