ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前のオンライン鑑定です。

 

ミドリさん(仮名・40代女性・地方在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

ミドリ「ひとり息子のことで、相談があるのですが……」

 

僕「息子さんのことを差し支えない範囲で教えていただけますか?」

 

ミドリ「ユウキ(仮名)高校1年生です。先日、一緒にテレビを見ていて、女性アイドルが出ていたので、その話になったら、ユウキは『女の子には興味ない』って言うんです」

 

僕「それで? ミドリさんは、どう反応されたのですか?」

 

ミドリ「ユウキは少しオクテなのかと思って、『そのうちに興味が出てくるよ』って答えたんです。でも……」

 

僕「『そのうちに……』をユウキさんが否定したんですね?」

 

ミドリ「そうなんです。ユウキは『僕はゲイだから、女の子を好きにはならない。将来、結婚もしないし、孫の顔も見せてあげられないから』って言うんです」

 

僕「息子さんにそう言われて、どのように感じましたか?」

 

ミドリ「最初、冗談かと思いました。普段からユウキとはよく話すし、冗談も言う子なので……。でも、ユウキは、顔は平然としてましたが、紅茶カップを持つ手がカタカタ震えていたんです」

 

僕「ユウキさんにとっては、決死の告白だったんですね?」

 

ミドリ「私、どう返事したらいいかわからなくて……」

 

僕「どのように対応したのですか?」

 

ミドリ「紅茶のお代わりのお湯を沸かしに行きました。とりあえず、落ち着こうと思って……」

 

僕「それで、ユウキさんは?」

 

ミドリ「お湯が沸く前に、ユウキは2階の自室に行ってしまいました」

 

僕「それで?」

 

ミドリ「それっきりです。ユウキはいつも通りにしているので、私もいつも通りにして……1週間過ぎました。ユウキが話の続きをしてくるのを待っている反面……あれは、やはり冗談か、一時の気の迷いだった……というのも期待しています」

 

僕「ユウキさんのお父様にはお話なさいましたか?」

 

ミドリ「はい」

 

僕「どういう反応でしたか?」

 

ミドリ「男の15歳なんて、まだまだガキで、そのくせ好奇心だけは溢れるほどだ。思春期の迷いだって……。そうなのでしょうか?」

 

僕「お話を聞く限り、思春期の気の迷いという可能性はないですね」

 

ミドリ「……そうなのですね」

 

僕「手が震えるくらいに緊張して、やっとお母さんに告白したのですから、15歳とは言え、よくよく考えての発言だと思います」

 

ミドリ「ですよね? 夫は、カウンセラーに診てもらえって言うのですが……」

 

僕「同性愛は病気ではありません。同性愛で悩む人もいますが、カウンセラーに相談したい人は多くありません。息子さんの方から言ってこない限り、してはなりません」

 

ミドリ「逆効果ってことですか? ますます意固地になるとか?」

 

僕「同性愛は、意地や意固地でなるものではありません。そうではなく、お互いの為を思い、よくよく考えて、決死の覚悟でカミングアウトしたのに、病気扱いされたら、2度と親には本当のこと言わなくなりますよ」

 

ミドリ「夫は、ユウキのことを思って、カウンセラーに……って言っているんですが」

 

僕「ユウキさんが悩んでいて、カウンセラーに連れて行ってくれ……って言うなら、連れて行くべきですが。違いますよね? ただゲイをカミングアウトしただけですよね?」

 

ミドリ「そうです」

 

僕「カウンセラーに行けっていうのは、『同性愛を直せ』ってことだと、息子さんは受け取りますよ」

 

ミドリ「治ったら、それが1番いいです」

 

僕「だから、病気ではありません。治すのは無理です。直そうとする転向療法って精神病院でおこなわれたこともありましたが、『女性が好き』って言わせるために、体に電流を流すんです」

 

ミドリ「それって……」

 

僕「男の写真を見せつつ、電気ショックを与え、男と体の痛みを結び付けて男を避けようとさせるんです。一種の拷問です。受けた男性は、あまりの痛みに、嘘をついて病院を抜け出すしかなかったんです」

 

ミドリ「……そこまでは……するつもりありません」

 

僕「ミドリさんは努力して男性を好きになってないですよね? 多くの男性や女性も、自然に異性を好きになってますよね? 我々同性愛者も、自然に、同性に惹かれているんです。努力しても、治療しても、治りません」

 

ミドリ「そうなのですね?」

 

僕「息子さんがゲイであることを受け入れてください」

 

ミドリ「夫は……ユウキが高校卒業したら、女のところに連れて行くって言ってます」

 

僕「女のところ? まさか……」

 

ミドリ「売春婦を買うって言っているんですよ。私は、それは反対なんですが……」

 

僕「僕も賛成しません。そんなことしても、息子さんは嫌がるだけです」

 

ミドリ「ですよね? それで息子が喜んだりしたら、それはそれで、ちょっと嫌です」

 

僕「そんなことしなくても、ゲイ男性は、自分が女性を愛せるかどうか、自分自身で見極めてます」

 

ミドリ「見極め?」

 

僕「そうです。女の子とデートしてみるとか、女性のグラビアを見てみるとか……それで、関心をもてないから、ゲイと確信するんです」

 

ミドリ「わかりました。やっぱり、夫の提案は阻止します。でも、これからどうすればいいか……わかりません」

 

僕「受け入れて、見守ってください」

 

ミドリ「息子がみすみす不幸になるのを見ているだけなのですか?」

 

僕「同性愛者だから不幸になるとは限りません」

 

ミドリ「でも、孤独になるし、世間に認められません……」

 

僕「僕は同性愛者ですが、孤独ではありません。パートナーがいますし、理解してくれる親族もいます」

 

ミドリ「でも……多くの人は孤独になりますよね?」

 

僕「同性愛者にとって、最もつらいのは、家族に理解されないことです。カミングアウトしても家族が認めてくれないと孤独になるんです」

 

ミドリ「でも……いずれ子どもは独り立ちして……」

 

僕「親が認めてくれたら、百人力なんです。職場や世の中がすべて敵になっても、親の理解があり、遠くからでも応援してくれるとわかれば、乗り切っていけるんです」

 

ミドリ「……そういうものですか?」

 

僕「愛する我が子の味方をしてあげてください」

 

ミドリ「……具体的には、どうすればいいですか?」

 

僕「息子さんに『あなたの同性愛を応援している。困ったことがあったら相談してね。恋人ができたら紹介してね』って言ってあげてください」

 

ミドリ「……なかなかハードル高いセリフですが……言えるようにがんばります。夫には何と?」

 

僕「できれば、さきほどのセリフをご両親揃って言ってあげてください」

 

ミドリ「……夫も?」

 

僕「4~50代の男性は、子供の頃からゲイ蔑視を刷り込まれているので、なかなか難しいでしょうが……」

 

ミドリ「でも、夫も息子を愛しているので、なんとか説得してみます。ありがとうございました」

 

僕「ありがとうございました」

 

さて、今日のチャイニーズタロットです。

↑「女教皇」正位置。

女性の聖職者です。世の為人の為、祈り、尽くしています。

 

あなたも聖職者のごとく、自分の信ずる道を進んでください。

 

↑「金貨の小姓」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置で貼り付けてます。

「小姓」と呼ぶには、年齢が行き過ぎてますが、偉い人に仕えているのです。

 

リバース(逆さま)ですから、「お金の使い」が遅れています。

あなたのせいではありません。イライラは禁物です。

待てるなら、待ってあげましょう。