ゲイ占い師 豫 空潤です。
少し前の対面鑑定です。
トモキさん(仮名・50代ゲイ男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。
トモキ「老後が不安で……時々眠れなくなります」
僕「不安なことを、差し支えない範囲で教えていただけますか?」
トモキ「私、50代になって両親が相次いで病死したんです。亡くなった時は、地方にある実家を処分したり、葬式や納骨や香典返しやらでバタバタしていたんですが……ひと通り終わると、自分がたったひとりになったことに気づいたんです」
僕「ご兄弟姉妹は? 親戚は?」
トモキ「私は一人っ子です。親戚はいますが、ちょっと離れてるし、両親の代から付き合いはありませんでした。葬式で会いましたが、私にとって、顔と名前が一致する人はいませんでした」
僕「若くて元気なうちは、干渉されなくて自由がいいと思いますが、だんだんと不安になってきますよね?」
トモキ「私には持病があって、毎日の服薬と定期的な通院が欠かせません。既に無理がきかなくて……新卒から勤めていた会社は辞めて、今は警備員をしています」
僕「警備って、真夏や真冬でも屋外の仕事があるし、夜勤もあるし、大変でしょう?」
トモキ「はい。だから、正社員ではなく、派遣というかたちにしています」
僕「それでも、過酷ですよね?」
トモキ「時々、体調が優れなかったり、どうしても働く気になれなかったりして、仕事を休みがちなんです。派遣なので、休めば休むほど収入は減って……ますます不安になって、悪循環です」
僕「ご両親のお住まいを処分されたんですよね? 相続などは?」
トモキ「実家は駅からも幹線道路からも遠くて、土地は二束三文にしかならず、家屋の解体費用や葬式代を差し引くと、ほとんど残りませんでした」
僕「今、地方の不動産は値下がりしているのでしょうか?」
トモキ「上がってはないです。若い頃は、何かあったら実家に戻ればいいと考えていたのですが、田舎って車がないと買い物もできないし、ゲイでなくても不便で暮らしにくいとわかり、実家は処分したんです」
僕「では、これからも関東で暮らすのですね?」
トモキ「それが……不安なんです。実家があるからと、マンションも買わず……私は今も賃貸アパートで……若い頃の貯金も、持病を患って仕事をしなかった2年間で使い果たしてしまって……」
僕「経済的な不安もおありなんですね?」
トモキ「体も心もきつくて、今すぐにでも仕事を辞めたいんです」
僕「でも、生活の為に辞められない?」
トモキ「そうなんです。辞めたら、家賃が払えなくて、即ホームレスです。絶望です」
僕「それで、何を占いましょうか?」
トモキ「年金がもらえるようになるまで、あと10年。その間の生活費をどうしたらいいか……」
僕「働く以外で、選択肢がありますか?」
トモキ「宝くじ5000万当たれば……」
僕「宝くじ買ったんですか?」
トモキ「豫さんの占いで『当たる』となったら、買います」
僕「まだ買ってないんですね?」
トモキ「あと、私が20代の頃に、新宿二丁目で私に告白してきた社長さんがいるので、その人の愛を受け入れて……」
僕「え? 30年も前の話ですよね? その社長さん、今もご健在なのですか? そもそも、連絡とれるんですか?」
トモキ「その人の会社名聞いていて、今も都内にあるんですよ。そこに連絡すれば会えるかと……もう70代なので、会長になっているかもしれないですが……生きていれば?」
僕「その70代の会長さんがお元気だとして……トモキさんを今も好きでいてくれているか?」
トモキ「そこを占って欲しいんです。それがダメなら……」
僕「他の方法もあるんですね?」
トモキ「最近は、40歳ぐらいのウリ専ボーイがいるって聞いたんですが……私、40歳ってことにして、ウリ専ボーイで働けませんかね?」
僕「……」
*僕の内心は「ええええええええええええ?」でした。トモキさんは年相応な容姿でしたから。
トモキ「ウリ専ボーイって、1回のセックスで1万円ぐらいもらえるんですよね? 私、1日おきに売れればいいんです。月15万でいいんです」
僕「いや……20代イケメンでも……まったく売れなくて無収入で困る……という話を聞きますが……」
トモキ「ですから、売れるかどうか? 稼げるかどうか? 占って欲しいんです」
僕「では、トモキさんが、年金支給まで暮らすために、①宝くじを買って当たるか? ②30年前に告白してきた社長さんの愛人になれるか? ③今からウリ専ボーイで稼げるか? ④警備員の仕事を続けるか? この4者択一でいいですか?」
トモキ「『④警備員を続ける』は要りません。もう、今日にでも辞めたいんです」
僕「では、①②③の3者択一でタロット占いしますか?」
トモキ「はい。そのどれかでお願いします」
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タロット占いの結果は、
①宝くじを買って当たるか?
↑「カップ7」正位置。
夢を見ている。いずれ夢だと気付く。
↑「剣の6」正位置。
進む方向を変えた方がいい。
②30年前に告白してきた社長さんの愛人になれるか?
↑「カップの6」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置に貼り付けてます。
過去は蘇らない。思い出だけにとどめた方がいい。
↑「運命の輪」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置に貼り付けてます。
タイミングが悪い。というか、タイミングは30年前だった。今では遅すぎる。
③今からウリ専ボーイで稼げるか?
↑「カップ2」正位置。
自分を客観的に見ましょう。
↑「ワンドの若者」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置に貼り付けてます。
不安定です。転落しそうです。
トモキ「どれがいいんですか?」
僕「どれもよくありません」
トモキ「3者択一で、全滅ってあるんですか?」
僕「あります。そのほかの選択肢がお勧めという場合です」
トモキ「そのほかって……」
僕「あと2枚カードがあります。トモキさんの現状を表すカードとアドバイスカードです」
現状を表すカード。↓
↑「金貨の5」正位置。
怪我の絵だが、「貧しさ」を表す。
トモキ「貧乏ってことですか? それはわかってます」
僕「それだけではないですよ。このカード、支えてくれる人がいますよね?」
トモキ「自慢じゃないですが、10年以上、彼氏なんかいません。誰も支えてくれてません」
僕「これはゲイタロットなので、ほとんどの人物は男性になっていますが、女性の可能性もあります」
トモキ「私はずっとゲイで、やはり自慢にもなりませんが、女性経験はゼロです」
僕「恋人とは限りません……」
トモキ「そんな人……誰もいない……あっ、あの人? まさか?」
僕「心当たりがあるんですね?」
トモキ「私が所属する派遣会社のおばさん社員が親切なんです。この間、失敗した時、かばって内緒にしてくれたんです」
僕「いるじゃないですか?」
トモキ「でも、女性に優しくされても……その人、私と同世代ですが、独身なんですよ。結婚相手と思われても困るし……」
僕「そういう気配を感じたら、カミングアウトすればいいじゃないですか? 男女だから恋愛や結婚とは限りません。異性のお友達になれば?」
トモキ「まあ、悪い人ではなさそうですが……」
僕「もう1枚。最終アドバイスカードです」
↑「金貨の男」正位置。
働きましょう。社会の役に立ち、あなたは稼げます。
この絵の男性のように、つらいこともこらえて、笑顔で仕事しましょう。
トモキ「……結局、働き続けるしかないんですね? こんなことなら、若い頃にウリ専ボーイでも何でもして、一生分のお金を稼いでおくべきでした」
僕「ウリ専ボーイで稼いだお金で、一生楽に暮らしている人なんて皆無です。そんな甘くないですよ。危険と隣り合わせですから」
トモキ「危険? セックスするだけでしょう?」
僕「売れっ子になるほど、性病にかかりやすいし、性病になればお客がとれなくなる。その間、補償があるわけでもない。ゲイ男性は浮気で気まぐれ。どんなにサービスしても、次回は他の新人ボーイを指名されてしまうこともある……」
トモキ「どんな仕事でも苦労はあるんですね? 私は、まだマシですかね?」
僕「トモキさんは、マシどころか、結構恵まれていると思いますよ」
トモキ「え? どこが?」
僕「4~50代って、人生の岐路です。体調崩すだけでなく、親の介護で仕事辞めて実家に帰らざるを得なくなったり……借金を背負ったり……いますよ」
トモキ「確かに、私は借金もないし、親の介護もしなくて済みました。持病はありますけど」
僕「でも、お仕事できてるし、独り暮らしなさってますよね? 自分次第じゃないですか? 食べて行くだけ稼げば、あとは好きなことができる」
トモキ「……」
僕「たとえば、70代の社長さんって、相手から望まれたとしても、僕はお勧めしません。介護要員にされるだけですから」
トモキ「でも、亡くなれば遺産が……」
僕「その社長さん、独身ですか? 今は独身でも、離婚歴があり、一緒に暮らしてないお子さんがいたら? 同棲しても男同士は法的には他人です。相続できないですよ」
トモキ「……そうですか?」
僕「働けるなら、自力で稼ぐのが1番です。親切な女性がいるなら、お友達として支え合えばいいじゃないですか?」
トモキ「結局、警備員の仕事を続けるしかないんですね?」
僕「転職は可能でしょう。介護士やコンビニ店員などなら、すぐにできるでしょう」
トモキ「……警備員でいいです」
僕「なら、そうしてください。トモキさん、再来年から運気上がりますから」
トモキ「そうなんですか? じゃあ、その時に、また占ってください、宝くじとか……」
僕「はい、占いは可能です。『当たる』と出るかはわかりませんが」
トモキ「よろしくお願いします。ありがとうございました」
僕「ありがとうございました」
さて、今日の易タロットです。
↑「沢風大過(たくふうたいか)」
荷物が重すぎて、ロバが歩けなくなっています。
しかし、飼い主は気付かず、進もうとしています。
この飼い主は荷物運搬が仕事です。大きな仕事を請け負い、はりきっているのです。
しかし、運ぶのはロバですから。ロバが無理なら、無理なのです。
チャンスが巡ってきても、うかれてはいけません。分相応でなければ、やり遂げることはできないからです。
このカードの場合、ロバを2頭にするとか、荷物を2回に分けて運ぶとか、方策を考える必要があるのです。
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