ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前の対面鑑定です。

 

キヨシさん(仮名・70代ゲイ男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

キヨシ「今、人生で1番パートナーが欲しいです」

 

僕「キヨシさんの今までの状況を差し支えない範囲で教えていただけますか?」

 

キヨシ「私は、関東で生まれ育ち、ずっと実家で両親と暮らしてました。ゲイですから、男と付き合ったこともありましたけど……1年続いたことありません」

 

僕「ゲイの方には、そういう方結構いらっしゃいますよね」

 

キヨシ「大卒で入った大手会社は、体育会系みたいな感じで肌に合わず、30歳で中小企業に移りました。そこは、おばちゃんが多くて居心地よく、定年まで勤めました」

 

僕「2番目の会社では、結婚圧力とかも少なかったんですね?」

 

キヨシ「見合いとか縁談とか、あるにはありましたが、両親と同居しないいけないと言い張ったら、女性の方から断ってきました。もちろん、親との同居は断るための口実でしたが……」

 

僕「結果的に独身を貫けたのですね?」

 

キヨシ「ゲイは結婚すべきでないと考えたし、独りで生きて行くためにはお金が大事と思って、実家暮らしを続けました」

 

僕「実家暮らしだと、お金貯まりますか?」

 

キヨシ「ええ。両親ともに定年まで働きましたから、私の給料は、ほぼ私のものでした。若い頃から株などの投資をしてきました。収入自体は、同年齢男性の平均以下ですが、貯蓄や資産は、かなりあります」

 

僕「それはそれは……羨ましい限りです」

 

キヨシ「でも、60歳過ぎて……両親が亡くなり、会社も定年退職した頃から、なんだか人生下り坂になってきて……病気になって入院しました」

 

僕「独り暮らしで入院すると、いろいろ大変でしょうね」

 

キヨシ「物理的なことは、だいたいお金で解決します。でも、保証人が必要だし、手術の同意書もあったので、転勤で地方に住んでいた弟に連絡したんです」

 

僕「弟さんがいらっしゃるんですね?」

 

キヨシ「あまり仲良くない弟ですけれど……その時は、存在がありがたかったです」

 

僕「何かあった際には、家族がいてよかったと思いますよね」

 

キヨシ「その時はそう思ったのですが……」

 

僕「今は、思わないのですか?」

 

キヨシ「退院してから、弟夫婦が『独り暮らしじゃ不便だし、何かあったら危ないから』って、実家に戻って一緒に暮らそうって言いだしたんです」

 

僕「弟さんがご実家に? まあ、弟さんにも実家相続の権利はあるでしょうから……」

 

キヨシ「父が死んだ時に、弟の相続分はお金で渡してあります。だから、今の実家は100%私のものです」

 

僕「弟さんは、キヨシさんのことを思って、同居しようと?」

 

キヨシ「そうなんです。老人独り暮らしはよくないって……。でも、私は、定期的に通院してるけど、日常生活で介護は不要だし、家事は自分でできます」

 

僕「弟さんは一家で同居したいんですか? 家族の人数が多いと……」

 

キヨシ「私が今住んでいる家は、両親が二世帯用に建て直したもので、中の階段でつながっていますが、1階用と2階用、それぞれ玄関・トイレ・台所・風呂が別々にあるんです」

 

僕「それなら、同居可能ですね?」

 

キヨシ「来たいと言っているのは弟夫婦だけで、子ども……つまり私から見れば甥や姪は独立してます」

 

僕「二世帯住宅で3人暮らし? 十分可能ですね?」

 

キヨシ「5歳下の弟もそうですが、弟の嫁は私よりひと回り若くて……何かあれば、助かるのかもしれません」

 

僕「でも、窮屈だから、同居したくないのですね?」

 

キヨシ「せっかく同居したのだからと、夕食ぐらいは一緒にすることになると思います。すると、どうしても話をせざるを得なくなり……」

 

僕「ゲイであることはカミングアウトしてないのですね?」

 

キヨシ「してません。弟は同性愛に対して差別的ですから」

 

僕「弟さんがそうおっしゃっているんですか?」

 

キヨシ「去年、弟一家が遊びに来た時、テレビでLGBT裁判の報道を見てたら、甥が『こういう人って自己主張ばかりだよね?』って言って、弟も『世の中の迷惑にならないように隠れて生きて欲しいな』って言ってたんです」

 

僕「ひどいですね。ゲイからすれば、反論したくなりますね?」

 

キヨシ「一緒にいた弟の嫁も姪も、何も言わなかったので、みんな同意見なのでしょう。それだけではありません。弟一家が近所のスーパー銭湯に行く話をしたので、私も同行したいと言ったら、スーパー銭湯は取りやめになったんです」

 

僕「え? キヨシさんとは一緒に行きたくない?」

 

キヨシ「そうです。なんか、みんな甥の方を見て……気まずそうに……」

 

僕「もしかして……キヨシさん、ゲイバレしてませんか?」

 

キヨシ「そうかもしれません。私を甥っ子と一緒の風呂に入れたくないんです」

 

僕「……」

 

キヨシ「だから、もういいんです。弟一家には頼りません。でも、年とってポックリ行けばいいけど、転んで骨折ったとか……具合悪くなって救急車呼びたいとか……その為にも、パートナーが欲しいんです」

 

僕「え? そのためのパートナーですか? 言わば介護要員ですよね?」

 

キヨシ「私の自宅と株券・貯金……合わせれば、億になります。前にゲイバーで話したら、お金で釣られる若いゲイはいっぱいいるから、選び放題だって……」

 

僕「いいんですか? お金目当てのパートナーでも?」

 

キヨシ「……それは嫌です。でも、私が再入院でもしたら、弟夫婦が押しかけてきて、居座ってしまうかもしれません」

 

僕「弟さん、キヨシさんを心配して……ということだと思いますが……」

 

キヨシ「だとしても、ゲイに差別的な人達と暮らしたら、カミングアウトはおろか、ゲイバレに怯えて、外出するにも嘘をつかなければなりません」

 

僕「ゲイバーとかに行かれますか?」

 

キヨシ「お酒は強くないので、もうゲイバーは行ってません。月に1回、ウリ専ボーイを買っています」

 

僕「店舗型のウリ専ですか?」

 

キヨシ「今までは、自宅にボーイを呼んでました。その方が恋人気分になれますから。でも、弟夫婦が来たら、できなくなります。まあ、ホテルをとればいいのですが……」

 

僕「で、占いはどうしますか?」

 

キヨシ「どうすればパートナーができるか?」

 

僕「お金目当てでも構わない?」

 

キヨシ「本音は、私のことを好きになってくれる男の子が欲しい。でも、無理ですよね? 以前に掲示板でやり取りした『フケ専』(フケた男性が好き)の男の子に聞いたら『50代ぐらいがいい』って……」

 

僕「50代が好きで、フケ専なのですか?」

 

キヨシ「私みたいな70代を好きなのは『オケ専(棺桶に入りそうな人が好き)』なんだそうです。しかも、絶滅危惧種なみに少数だとか……」

 

僕「今後へのアドバイスカードを引いてみますか?」

 

キヨシ「お願いします」

 

裏返しに並べられたチャイニーズタロットカードを、神経衰弱のように、キヨシさんに2枚引いてもらいました。

↑「金貨の6」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置で貼り付けてます。

 

お金を勘定している男性の絵です。

リバース(逆さま)ですから、お金は使ってこそ価値があるもの……という意味です。

貯めることに固執しない方がいいでしょう。

 

↑「杖の6」正位置。

老女と若い女性たちがなごやかに微笑んでいます。

若い人や女性と過ごすことでうまくいく……ということです。

 

いろいろと心配なこともあるでしょうが、弟さん夫婦との同居は、意外と快適になります。

 

キヨシ「弟夫婦との同居? ゲイのパートナーは?」

 

僕「残念ですが、恋愛やパートナーに関するカードではありません。しいて言えば……」

 

キヨシ「なんですか?」

 

僕「『金貨の6』はお金を誰かに渡すという意味もありますから……」

 

キヨシ「パートナーを探しても、金目当ての子しか見つからない……ということですか?」

 

僕「最悪、お金をとられるだけの関係になります」

 

キヨシ「……弟夫婦と話し合ってみます」

 

僕「カミングアウトしてもいいと思います」

 

キヨシ「でも……弟は差別的で……」

 

僕「だからこそです。『私は、お前の嫌いなゲイだ。一緒に暮らすなら、私の生き方を否定しないでくれ』ってはっきり言うのもいいと思います。それに、弟さんたちは、うすうす感づいている気がします」

 

キヨシ「わかりました。カミングアウトして、否定的こと言われたら、私は縁を切っていいので……」

 

僕「ゲイを受け入れて同居するか? 嫌なら距離を置くか? 聞いてみてもいいですね」

 

キヨシ「そうですね。同居すれば、ゲイバレする可能性ありますから。最初に言っておくのがいいかもしれません。ありがとうございました」

 

僕「ありがとうございました」

 

さて、今日の易タロットです。

↑「火地晋(かちしん)」

なだらかな草原の丘、ゆるやかに流れる川、晴れた空に太陽が昇っている……穏やかで平和な「吉」カードです。

 

すべて順調に行きます。

しかし、太陽がゆっくり昇るように、少しずつよくなるのです。焦ってはいけません。

小さなトラブルもありますが、ゆとりを持って対応すれば、事なきを得ます。

 

余裕と謙虚さを忘れず、今の精進を続けましょう。