ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前の対面鑑定です。

 

ナオトさん(仮名・40代ゲイ男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

ナオト「20年一緒に暮らしているカズユキ(仮名・40代ゲイ男性)とのことで悩んでいます」

 

僕「差し支えない範囲で、お2人のことを教えていただけますでしょうか」

 

ナオト「20年前にネットで知り合ったカズユキとは、お互いにタイプで付き合い始めました」

 

僕「で、同棲を始めたんですね?」

 

ナオト「カズユキが当時住んでいたアパートが嫌だって言っていて……ストーカーがみたいな隣人とか……それで、つい『うちに来れば?』って言ったら、カズユキがほんとに引っ越してきたんです」

 

僕「ナオトさんとしては、本気で同棲しようと考えたわけでなく……」

 

ナオト「そうですね。次の部屋が決まるまで、ひと月かふた月居候すれば? って思ったんですが……」

 

僕「カズユキさんは部屋探しをしなかった?」

 

ナオト「そうです。うちに住むようになって、少しして、カズユキが出勤してないことに気づいて、『仕事どうしたの?』って聞いたら『辞めた』って……」

 

僕「カズユキさんが仕事を辞めた理由をお聞きになりましたか?」

 

ナオト「カズユキが言うには、『ウリ専ボーイ時代にお客だった男が同じ社内に異動してきて、俺の過去が言いふらされている』って……」

 

僕「カズユキさんは、ウリ専ボーイをされていたんですね?」

 

ナオト「はい、大学生の頃、父親が失職して仕送りが途絶えて、1年ぐらいしていたって……」

 

僕「カズユキさんがウリ専ボーイをしていた過去をお持ちのことを、どう思ってらっしゃいますか?」

 

ナオト「カズユキ自身、黒歴史だって言ってます。『おかげで大学辞めなくて済んだけど、嫌な思いがあり過ぎるし、売春夫にはなりたくなかった』って」

 

僕「ナオトさんのお考えは?」

 

ナオト「うーん。僕自身、ウリ専のことはよく知らないんです。でも、カズユキを見ていると、やっぱり……って思います」

 

僕「やっぱり?」

 

ナオト「カズユキって、すごいテクニシャンなんです。で、僕がすごく感じると、カズユキは『だろ? 〇〇で№1だったんだぜ』って自慢したり……。一方で、なにかでプライドの話になった時、『プライドないから。体売った時、プライドまで売ったから』と自虐的になったり……」

 

僕「……」

 

ナオト「あと、出かける時、カズユキがサングラスとかするんです、冬でも」

 

僕「もしかして、ウリ専ボーイ時代の知り合いと会いたくない?」

 

ナオト「そうなんです。一時期、ウリ専サイトに顔写真が出ていたらしく、カズユキは知らなくても、カズユキの顔を覚えている人がいるって言い張って……」

 

僕「たとえ、そうであっても、『俺、あいつを知っている。ウリ専ボーイをしていたよ』とは、言わないですよね?」

 

ナオト「そうなんです。言ったら、ウリ専の客だったことがバレますから……言わないですよね?」

 

僕「そうカズユキさんに言っても、カズユキさんはサングラスを外さない?」

 

ナオト「はい。『ナオトも客だと思われたら嫌だろ?』って……僕への気遣いは嬉しいんですけど」

 

僕「それで、20年一緒に住んでいる? カズユキさんは再就職したんですか?」

 

ナオト「就職したり、バイトしたりしましたが……続かないんです」

 

僕「仕事が続かない理由は?」

 

ナオト「シンプルに言えば、人間関係です。同僚に嫌がらせされたとか、顧客に色目使われたとか、ゲイ差別されたとか……カズユキが言うにはですが」

 

僕「1度仕事を辞めると、簡単に辞めるクセがつくのでしょうか?」

 

ナオト「そうかもしれません。カズユキが嘘を言っているとは言いませんけど……辞めるほどかな? って思います」

 

僕「その意見をカズユキさんに伝えましたか?」

 

ナオト「言うと、カズユキはキレるんです。順調な人生送ってきたやつに俺の悩みはわからないって……」

 

僕「順調な人生の人って……いませんよね? 人には言わないだけで、それぞれ抱えているものがあります」

 

ナオト「ええ。僕も、いろいろありました。でも、それを言うと、カズユキは『近寄るのさえ嫌な、薄汚れた気持ち悪いオヤジに体中舐めまわされ、そのオヤジのモノを口でいかせなければならなかった俺の気持ちなんか、わかるわけない』って怒るんです」

 

僕「……」

 

ナオト「確かに、普通は相手を選びますから……そこまで悲惨なセックスは体験しませんよね」

 

僕「(話題を変えて)ところで、同棲生活ってどうしても経済的なことが大事になりますよね? 家賃や生活費を折半するとか……」

 

ナオト「折半なんて無理です。カズユキは無収入の時期もありますから」

 

僕「ナオトさんがすべて払ってきたんですか?」

 

ナオト「家に居るカズユキの方が料理することが多く、買い物もしてくれるので……食料品や日用品の代金だけですね、カズユキが負担するのは。格安の品ばかりですが……」

 

僕「今も、カズユキさんは無職で無収入ですか?」

 

ナオト「コロナで、バイトしていた飲食店が潰れて……以来、カズユキは無職です」

 

僕「カズユキさん、ご実家は? ご両親とかは?」

 

ナオト「カズユキの実家は兄が継いでいて、ほぼ絶縁状態だって言ってます。カズユキは『家族はナオトだから。パートナーシップ制度登録しよう』って言いますが……」

 

僕「でも、ナオトさんにその気はない?」

 

ナオト「カズユキは『ナオトの名義で銀行から金借りて、一緒にゲイバーやりたい』って言いますが……。そんなうまくいくとは思えません」

 

僕「カズユキさんが仕事して、定収入があれば、パートナーシップ制度登録も、考えますか?」

 

ナオト「収入がないのが1番困りますが、神経質で、被害妄想的なカズユキにも、正直言って疲れます。今、僕がテレワークなので、ずっと一緒で……ちょっと物音がすると、カズユキは『誰かが嫌がらせしてきた?』って」

 

僕「失礼ですが、ちょっと病的にも思えますが……」

 

ナオト「僕もそう思って、精神科を勧めたら、カズユキはキレるんです『俺は病気じゃない。お前が鈍感すぎるんだ』って」

 

僕「ナオトさんは別れたいんですか?」

 

ナオト「はい。でも、20年暮らしてきて……無職で、いろんなトラウマ抱えたカズユキを今更見捨てるのは、薄情のような気がして……」

 

僕「占ってみますか? 裏返しのゲイタロットから、神経衰弱のように1枚か2枚、ひいてみてください」

 

ナオト「はい」

 

ナオトさんがひいたカードは↓

↑「金貨の6」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置で貼り付けてます。

お金を払う方、もらう方が固定されています。対等になることはありません。

 

↑「金貨の5」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置で貼り付けてます。

金銭的困窮を表します。

 

ナオト「僕が、ずっとカズユキを養わなければならず、貧乏になるってことですか?」

 

僕「その通りです」

 

ナオト「抜け出すには、どうすればいいですか?」

 

僕「『抜け出したい』と強く願って、もう1枚、ひいてください」

 

↑「愚者」正位置。

 

ナオト「このカードは?」

 

僕「ゼロ番。すべてを捨てて、ひとりで再スタートです」

 

ナオト「カズユキを捨てていいんですね?」

 

僕「もともと、夫婦でもパートナーでもなく、いわば居候ですよね?」

 

ナオト「でも、カズユキは出てってくれるでしょうか? アパート引っ越し費用とか、カズユキにはありません」

 

僕「ナオトさんが出してあげることは可能ですか?」

 

ナオト「それで別れられるなら……出します。礼金・敷金・前家賃ですよね?」

 

僕「飲食店が再開してきたってことですから、カズユキさんの仕事も一緒に探してあげるとか……」

 

ナオト「でも……やっぱり、冷たい仕打ちですよね?」

 

僕「じゃあ、別れずにこのまま行きますか? 人生100年なら、あと50年以上ですよ」

 

ナオト「それは嫌です。まだ恋愛もしたいし……少なくともイライラしないで暮らしたいです」

 

僕「同棲解消なんて、円満にはいきませんよ。必ずどちらかに遺恨は残ります。でも、カズユキさんにだって、他の相手との可能性がありますから。時が解決します」

 

ナオト「そうですよね? とりあえず、カズユキの仕事とアパート探しを一緒にします」

 

僕「そうしてください」

 

ナオト「ひとりになれるって考えたら、希望が湧いてきました。ありがとうございました」

 

僕「ありがとうございました。応援していますよ」

 

さて、今日の観音オラクルカードです。

 

↑「10 真珠の女王」

 

貴重で美しい天然真珠です。天然真珠は、貝の中に異物が混入してできる宝石。

貝にとっては厄介者です。貝は、自身を守るために身を削って「なくなればいいのに……」と思う物を幾重にも包み、結果として宝石にするのです。

 

あなたが今悩まされていることも、あなたの魂の成長に役立つのです。

あなたの悩みが、あなたの魂を真珠のように輝かせてくれるのです。

 

あなたの苦しみは、決して無駄ではないのです。

悩んで迷って、崇高な存在になれるのです。