ゲイ占い師 豫 空潤です。
少し前の対面鑑定です。
コウイチロウさん(仮名・50代男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。
コウイチロウ「アラフィフなのに……中途半端なままで、どうしていいかわからないです」
僕「コウイチロウさんはゲイですか?」
コウイチロウ「自分ではゲイだと思ってきました。でも……僕は女装するんです。女装の友達から『トランスジェンダーでしょ?』って言われると……わからなくなるんです」
*鑑定室に来られたコウイチロウさんは、男性の恰好です。短髪で、女装姿は想像できません。
僕「ゲイでも、時々女装する方がいますよ。ゲイバーの特別なパーティーとか」
コウイチロウ「僕は、ほぼ毎週末女装します」
僕「いつからなさっているか、聞いていいですか?」
コウイチロウ「女の子の服がきれいでかわいいというのは、子供の頃から思っていました。男の服は地味で、つまらないです。私服でも制服みたいだと思ってました。髪も、男は長く伸ばせないし、髪飾りもあり得ない。不自由だなと……」
僕「実際に女装を体験されたのは?」
コウイチロウ「大学の学園祭で、みんなで女装バー模擬店を開いたんです。その際に『1番女らしい』って褒められて、先輩の1人に2人きりの時に襲われて……」
僕「レイプされたんですか?」
コウイチロウ「あ、いえ、レイプまではいきません。キスされて、下着の中に手を入れて、イカされただけです」
僕「イカされた……ということは、コウイチロウさん自身もその気になって、感じた?」
コウイチロウ「それまで何とも思ってなかった先輩でしたけど、女として抱かれた……みたいに思えて……」
僕「当時のコウイチロウさんの性体験は?」
コウイチロウ「男も女もまったくありませんでした。年上男性には憧れてましたが、地方だったし……」
僕「ゲイの場合、自分からゲイのいるところに行かないと、何も起こりませんからね」
コウイチロウ「そうなんです。漠然と『自分はゲイかも』と思って悶々としていたところ、女装したら、女好きのはずの先輩が急に襲ってきて……」
僕「それが、最初の性体験ですね? 傷つきましたか?」
コウイチロウ「いえ。『これが待ち望んでいたことだ』と気づきました。恥ずかしかった半面、嬉しかったです」
僕「その先輩とは、おつきあいしたんですか?」
コウイチロウ「いえ。その先輩には彼女がいたんです。本物の女性の彼女が。だから、僕はつまみ食いされただけです。そのことは、後で、じわじわと辛くなりました」
僕「なんとも思ってなかった先輩だけど、抱かれたら好きになったんですね?」
コウイチロウ「はい。先輩が彼女と別れて、僕と付き合うことを、毎日夢想してました」
僕「その先輩からのお誘いは、もうなかったんですか?」
コウイチロウ「何度かありました。『女装して俺の下宿に来い』って言われました。でも、大学祭で女装しただけで、その頃は女装用品持ってませんし……彼女持ちのノンケ(異性愛)男性と関係しても、つきあえなくて、辛い思いするだけですから、行きませんでした」
僕「先ほど、その先輩に『イカされた』とおっしゃいましたが、ノンケ(異性愛)男性の先輩が、コウイチロウさんの男性器を?」
コウイチロウ「はい。僕もそこはひっかかって、先輩はバイセクシャルかも? って期待したんですが……少なくとも、男の恰好していると対象外みたいでした。当時の僕は定期的に女装するつもりはなかったので……」
僕「いわゆる『男の娘』みたいに、見かけが女性なら肉体が男でもいいってことなんでしょうね?」
コウイチロウ「そうみたいです。で、今の僕がそういう状態です」
僕「コウイチロウさん自身が『男の娘』のように、女装はするが、肉体は男性のままで、女性ホルモンなどは投与してない?」
コウイチロウ「はい、まったくしてません。でも『男の娘』とは言えませんよね? もう若くないですから……」
僕「でも、若く見えるって言われるでしょう?」
コウイチロウ「女装する時は、ギャルみたいな恰好してます。ミニスカートで……。だから、昼間は女装できません」
僕「ジロジロ見られるとか?」
コウイチロウ「そうです。すれ違う人、みんなから見られて、いたたまれません。その点、夜の盛り場なら……」
僕「声かけられますか?」
コウイチロウ「はい。時々ですが……」
僕「声かけられたら、ついていきますか?」
コウイチロウ「よっぽど嫌な感じでなければ。でも、30代とか、あまりにも年下だと怖くなって、お断りしたことはあります。後で逃げられたら、傷つきますから」
僕「相手の男性は、(女装だと)わかって声かけているんですか?」
コウイチロウ「夜中の盛り場に派手な恰好で、女がひとり歩いているんですから、状況でバレてます。ただ、『(男性器が)ついているかどうか』気にする男性はいます」
僕「そう言われると、性別適合手術したくなりますか?」
コウイチロウ「いえいえ。真逆です。(男性器が)ついている方が喜ばれます」
僕「そうなんですか?」
コウイチロウ「女装者を誘ってくる男って、女の代わりじゃなくて、女に見えるが肉体は男っていう状態が好きなんです」
僕「神話のアンドロギュノス(両性具有)を体現している……と見られるのでしょうか?」
コウイチロウ「僕自身は、ただの女装であって、女性ホルモンやってないし、胸もないですが……」
僕「でも、ひげは薄いですよね?」
コウイチロウ「もともとは濃い方でした。脱毛クリニックで脱毛したんです」
僕「ひげだけですか?」
コウイチロウ「腕や脚や脇や胸毛も……。男性とベッドインした翌朝、伸びているのを見られたくなくて……」
僕「そうなんですね」
コウイチロウ「女性的に加工したのは体毛だけですね」
僕「一般男性でも、脱毛する人がいるって言いますからね」
コウイチロウ「そうなんです。僕、普段は男でいいんです。性別違和感なんて、それほどないです」
僕「女装すると、男性に誘われ、抱かれるからですか?」
コウイチロウ「そうですね。目的はそこです」
僕「男性のままでも、ゲイ男性から抱かれることは可能ですが……」
コウイチロウ「でも、年いくと、抱く方に回らなくてはならなくなったりで……。女になれば、基本的に受け身でいられますから」
僕「じゃあ、それでいいじゃありませんか? 身体は男で、普段も男。週末だけ女性になって、男性に抱かれる……」
コウイチロウ「若い頃は、それで満足してました。でも、年とると、決まったパートナーが欲しいですよね?」
僕「みんな、そうなりますよね」
コウイチロウ「女装者を好きになってくれる男って、既婚者が多いんです。まあ、僕がいい年なので、相手も中年以上になってしまうからなんですが。たまに独身おじさんがいると、何人も女装子を抱えている超遊び人で……」
僕「パートナーには不向きな男性ですね」
コウイチロウ「これからますます年取って……。ミニスカートも似合わなくなって……。どうすればいいんでしょうか?」
僕「そこをタロット占いしてみますか? 具体的な選択肢があればいいのですが」
コウイチロウ「①性同一性障害の診断をもらって、性別適合手術して女性になる。②ゲイ男性として相手を探し、相手に女装を受け入れてもらう。……この2つですかね」
僕「③このまま、普段は男で、週末の夜だけ女性になって相手を探す生活を続ける。……これも加えませんか?」
コウイチロウ「では、その3つでお願いします」
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まずは、コウイチロウさんの現状を表すカードです。
↑「カップの若者」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置で貼り付けてます。
コウイチロウさんが耳を傾けているのは、意味のない話です。
現実のことを考えた方がいいです。
①性同一性障害の診断をもらって、性別適合手術して女性になる。
↑「金貨の5」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置で貼り付けてます。
女性になるためには、お金がかかり、確実に貧しくなります。
(手術して)身体を傷つけるリスクもあります。
↑「剣の3」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置で貼り付けてます。
少なからず傷つきます。しかしながら、誰も責めることができません。
②ゲイ男性として相手を探し、相手に女装を受け入れてもらう。
↑「愚者」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置で貼り付けてます。
そう簡単にはいかないでしょう。
↑「暴露」正位置。
このやり方でパートナーを見つけても、後になってトラブルになります。
③このまま、普段は男で、週末の夜だけ女性になって相手を探す生活を続ける。
↑「ワンドの7」正位置。
今は逆風が吹いています。が、いずれ風向きは変わります。
何とか持ちこたえられるでしょう。
↑「カップの2」正位置。
あなたに必要なのは、本当の自分自身を知ること。それを受け入れて生きることです。
最終アドバイスカードです。
↑「太陽」正位置。
年齢を理由に、パートナー探しを諦める必要はありません。
僕「今のままでいいという結果ですが……どうでしょうか?」
コウイチロウ「実は、自分としては、このままでいいと思っているんです」
僕「え? 誰かから、何か言われたってことですか?」
コウイチロウ「女装サロンで知り合った女装友達が何人かいて、たまにオフ会を開いているんですが……そこで競い合いになるんです」
僕「競い合い?」
コウイチロウ「どれだけきれいに女装できたか? どれだけ女性に近づけたか? という点でです」
僕「脱毛したのも、その競い合いに勝つためですか?」
コウイチロウ「確かに、オフ会で脱毛の情報を得ましたが、脱毛自体は後悔してません」
僕「オフ会の他の参加者は、もっと女性化を進めているのですか?」
コウイチロウ「女性ホルモン剤服用とか、豊胸手術とか。性同一性障害を認定されて、手術した人もいます」
僕「お友達が、より女性的になっていくと、コウイチロウさんも刺激を受けますか?」
コウイチロウ「はい。でも、中には手術を後悔している人もいます。豊胸手術が会社にバレて、居づらくなって、辞めた人もいます。女性化を進めて行くと、後戻りできないこともあって……迷ったんです」
僕「他の人の例は気にしない方がいいです。人それぞれですから」
コウイチロウ「そうですね」
僕「コウイチロウさんが、ご自身の身体に違和感ないなら、手術もホルモン剤も不要でしょう」
コウイチロウ「ですよね? (男性器を)切ってしまって後悔しても戻れませんから」
僕「そうですね。ホルモン剤も、服用の仕方が難しいって聞きます」
コウイチロウ「ですよね? 僕は僕なりの女装でいいんですよね? なんかスッキリしました。化粧と洋服とウィッグだけなら、いつでも男に戻れますから。ある意味、気軽に女装できます」
僕「人に惑わされないことです」
コウイチロウ「いつも、ゲイなのか? トランスジェンダーなのか? 聞かれても答えられなくて……『中途半端だ』って言われてました」
僕「カテゴリーとしては、中間的かもしれませんが、コウイチロウさん自身に迷いがなければいいんですよ。本心を偽って、違う自分を演じている方が、よほど中途半端です」
コウイチロウ「そうですね。女装ゲイでいいですよね? 『女装子です』って、開き直ることにします。女になるって、向き不向きがありますから」
僕「そうなんですね?」
コウイチロウ「テレビには、きれいなニューハーフさんが、たくさん出てますけど、みんながみんな、はるな愛とか佐藤かよになれるわけではありませんから」
僕「同意見です。ご自分を受け入れることが、幸せになる近道です」
コウイチロウ「これからも、週末の夜だけ、女装します。パートナー探しを諦めなくていいんですよね?」
僕「はい。相手を見極めつつ、相手を選り好みしなければ……」
コウイチロウ「選り好みしません。僕を愛してくれるなら、お爺ちゃんでも……。でも、見極めるって?」
僕「遊び人に弄ばれないように……。既婚者は避ける……とか」
コウイチロウ「そうですね。心がけます。ありがとうございました」
僕「ありがとうございました」
さて、今日のゲイタロットです。
↑「カップの6」正位置。
過去の思い出は大事にしましょう。忘れる必要はありません。
↑「カップの8」正位置。
しかし、大好きでお世話になった人とお別れしなければならない時もあります。
あなたの人生ですから。あなた自身が最優先なのです。
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