ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

「吾亦紅(われもこう)」という歌があります。

2007年2月21日発売。作詞:ちあき哲也 作曲:杉本眞人 歌:すぎもとまさと

*作曲者杉本眞人と、歌手すぎもとまさとは、同一人物。作曲家名と歌手名と使い分けている。

 

哀愁を帯びたフォーク調のギター弾き語りと、中高年男性の亡き母を思う心情の歌詞でヒットし、

2007年、すぎもとまさとは、この歌で紅白歌合戦初出場を果たしています。

*58歳8か月は、当時、初出場男性歌手の最年長記録を更新。

 

ところが、この歌を聴いて涙するおじさんが多い一方で、「わけがわからない」「意味不明」「理解できない」という若い世代が少なくないと言います。

 

「吾亦紅(われもこう)」の歌詞の概要は、

主人公(熟年男性)は、お盆に帰省できず、母の墓参りができなかったことを悔いて、母の墓前で母を忍ぶ……というものです。

 

その中で、主人公が母に対し、「あなたに威張ってみたい 来月で 俺 離婚するんだよ そう、はじめて自分を生きる」と言う部分が、大ブーイングなのです。

 

「離婚が威張れること?」「奥さんを不幸にしておいて、母親に自慢?」「恥ずかしく、罪深いことではないの?」

という風に、批判されているのです。

 

同棲する日本人ゲイ男性Tommyは、

Tommy「この歌って……もしかして……ゲイの歌?」

 

僕「ゲイなら、わかるよね?」

 

Tommy「自分を偽って結婚生活を送っていた男が……熟年になって、ようやく離婚して自分らしい生き方ができた。だから『離婚』を亡き母に威張る。『はじめて自分を生きる』ことになるから」

 

僕「『親のことなど気遣う暇に 後で恥じない自分を生きろ』が、亡き母の形見の言葉だからね」

 

Tommy「死ぬ時に後悔しないように……離婚を選んだんだね。離婚された妻は気の毒だけど……」

 

僕「この歌が流行した2007年当時、『熟年離婚』が多くなり、話題になったんだ」

 

Tommy「そうだったね。長年我慢していた妻が、子供の独立を機に亭主に離婚をつきつける……っていうケースが多かった」

 

僕「慰謝料とともに、財産分与として、夫の退職金の半分を受け取るっていう人が多かった……」

 

Tommy「『気の毒な妻』っていうのは、思い込みだね」

 

僕「そう。離婚したあと、サバサバして後悔しない女性が多いって。引きずるのは男性側が多いって聞いたことあるよ」

 

Tommy「すぎもとまさとがゲイなの? それとも、作詞者のちあき哲也?」

 

僕「ノンケ(異性愛者)がゲイドラマやゲイ映画をつくる場合もあるからね。それは、わからない」

 

Tommy「ネットで調べると、すぎもとまさとは1949年生まれで、妻子がいる。ちあき哲也は1948年生まれで、2015年に病死するまで生涯独身だった」

 

僕&Tommy「……(沈黙の意味はお察しください)」

 

僕「2人は1948年と49年の生まれ。1970年代後半には、当時の男性の結婚適齢期(20代後半)だった。同性愛は変態性欲として扱われていて、『まともな人』は、誰でも結婚しなければならなかった」

 

Tommy「つまり、2人が若い頃には、結婚せざるを得なかったゲイ男性が多かったってことだね」

 

僕「僕が田舎の大学生だった頃、地元のゲイ男性の大半は適齢期に結婚してたよ。ニューハーフと見間違えるような中性的なゲイ男性も、結婚していたからね」

 

Tommy「ニューハーフみたいな男性?」

 

僕「薄化粧したり、女性物のカラフルなブラウスを着たりして、街を歩くだけで目立つ人だったけど、30歳で結婚したんだよ。そういう時代だったんだよ」

 

Tommy「空潤は、よく結婚しないで済んだね?」

 

僕「僕は、もう少し世代が下だからね。一緒にしないでね。僕の場合は、母がずっと同居だったからね」

 

Tommy「お母さんが、空潤の結婚を嫌がったの?」

 

僕「母は、口では『誰かいい人いないの?』とは言っていた。でも、嫁姑の同居に自信がなかった。かと言って、孤独な別居は嫌だった。だから、内心は僕がずっと独身なので安堵していたんだよ」

 

Tommy「空潤って、若い頃は『ひとり暮らししたかった』って言ってたけど、お母さんと一緒で、却ってよかったんじゃないの?」

 

僕「そうかもね。ただ、僕は、たとえ変人扱いされても、結婚する気はなかった。っていうか、ちょうど僕らの世代(昭和30年代生まれ)から、30過ぎても結婚しない人が増えたんだよ」

 

Tommy「ラッキーだったね」

 

僕「あと、年代以外の要素もあるからね。個々のケースによって、結婚圧力は異なる」

 

Tommy「令和の今なら、『同性愛者も異性と結婚しろ』なんて言う人は、まずいないだろうけど……」

 

僕「ゲイで結婚した人は、みんな、当初は幸せな家庭をつくろうと思ったんだよ。初めから『偽装結婚』しようとした人は……まずいないよ」

 

Tommy「『ゲイだから、偽装結婚だろ』『後で離婚するのは身勝手』っていうのは先入観というか……短絡的だね」

 

僕「そう。『吾亦紅(われもこう)』を聴く際は、ゲイ男性を思い浮かべてください。結婚せざるを得なかった若き日々……熟年になって、妻から離婚を切り出された時の、密かな安堵と……希望……」

 

Tommy「せつないね。でも、すぎもとまさとは、現在74歳で、離婚してない。ちあき哲也は、そもそも結婚すらしないまま66歳で病死。どちらも、この歌のモデルじゃないね」

 

僕「熟年男性が熟年男性の歌を歌うと『自分のことを歌ってる』と捉えられるけど、そうじゃない場合が多いから」

 

Tommy「ですよね」

 

さて、今日のチャイニーズタロットです。

 

↑「カップの7」正位置。

 

男性がうたた寝をしています。いい夢を見ているようです。

しかし、夢のままでいいのでしょうか?

寝ているだけでは、いつまでも現実にはなりません。

 

↑「剣の6」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置で貼り付けてます。

 

剣は仕事の象徴。(人類は、刃物で狩りや農耕をしてきた)

6は、新たな方向を探るべき時ということ。(指で数を数える時、5の後で数え方を切り替える)

 

3人の女性が、揃って剣舞をしています。(もしくは、ポーズをとっている)

しかし、リバース(逆さま)ですから、揃ってないのです。

 

あなたと誰かというより、あなたの中で、揃ってないのです。

仕事に対する希望・準備・状況判断・行動などの、どれかが足りないのです。

 

夢のままで終わってもいいなら別ですが、実行に移したいなら、考えるべき時期でしょう。