ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前のメール相談です。(相談者のプライバシー保護の為、多少変更しています)

 

カズヤさん(40代後半・仮名・東京在住・ゲイ男性)からです。

 

カズヤ「東北の実家で80歳を超えた母が独り暮らししていて、心配なんですが、コロナで帰省しづらくて……」

 

僕「電話やメールなどはなさっているんですか?」

 

カズヤ「電話はしてます。母はメールしません。だから、電話だけしてます。が、最近、話しても『んだが(そうなのか)』というだけで、話を理解しているのか? 不安になります」

 

僕「ご兄弟や親戚など、お母様を気にかけてくれる方は?」

 

カズヤ「親戚は、隣の市や隣の県にはいるんですが、つきあいがなくて……僕には姉がいるんですが、10年以上前から、アメリカ暮らしなんです」

 

僕「アメリカにいらっしゃるお姉様に面倒見てとは言えないですね。でも、お姉様とお金を出し合って、お母様にヘルパーを派遣してもらうとか、施設入所してもらうとか……」

 

カズヤ「姉は、あんたの母親なんだから、あんたが面倒見なさいって言うんです」

 

僕「お姉様にとっても、お母様ですよね?」

 

カズヤ「母は父の後妻なんです。姉は死んだ先妻の子で、僕は後妻である母の子なんです。でも、姉だって6歳から母に育ててもらっているんですから……母の老後に責任はあると思うんです」

 

僕「お姉様とお母様の仲は?」

 

カズヤ「母は、普通に姉も育ててきたはずです。でも、姉は、何かと言うと『実の子のあんたばかり可愛がっていた』と僕に言うんです。女親が上の娘より下の息子を甘やかすなんて、世間によくあることなのに……」

 

僕「まあ、それぞれの思いに差があるかもしれませんね」

 

カズヤ「もちろん、僕も、母を見捨てるつもりはありません。母を東京や関東に呼んで、同居したり、近くの施設に入ってもらおうと思っています」

 

僕「お母様が、うんと言わないんですね?」

 

カズヤ「そうなんです。実家がまだまだ住めるから、ここで独り暮らしすると言い張るんです。結構広い家で、掃除するだけでも大変なのに……」

 

僕「お年を召してから、知らない土地に移るのに抵抗する方は、結構いますよね」

 

カズヤ「せめて、姉に経済的負担をして欲しいんですが……」

 

僕「お母様が施設に入る場合のお金ですか?」

 

カズヤ「同居するにしても、今の僕のアパートでは無理です。母は田舎の古い人間ですから、戸建てじゃないと嫌だと言うので……」

 

僕「一軒家を借りるのですか?」

 

カズヤ「神奈川でも埼玉でもいいから、できれば中古戸建を買いたいんです。でも、お金が……」

 

僕「ご実家を売るとか……」

 

カズヤ「もちろん考えて、地元の不動産に聞いてみました。そしたら、家屋は0円どころか、解体費用がかかり赤字。土地は結構広いのですが、駅にも幹線道路にも遠いので、二束三文にしかならないって……」

 

僕「やはり、お姉様と相談するしか……」

 

カズヤ「姉はお金は出さないって言うんです。そんな貧乏じゃないはずなのに……」

 

僕「実の母じゃないからですか?」

 

カズヤ「姉は『お父さんの介護も、入院代・葬式等、すべて私が面倒見て、お金も払った。お母さんは、あんたの番だからね』って言うんです」

 

僕「お父様の世話やお金をすべてお姉様がなさったのですか?」

 

カズヤ「もう、20年も前の話です。当時、僕は生活に余裕なかったし……父のことが大嫌いで、家出みたいに東京に来ていたんで……父の葬式も出ませんでした」

 

僕「……」

 

カズヤ「姉は、『あんたが実家で母と暮らせば、お金かからない』って言うんです」

 

僕「東京のお仕事を辞めることになりまよね?」

 

カズヤ「……僕の会社は、今、リモートワークなんです。だから、実家に住みながら勤務するっていうのも可能なんです」

 

僕「それ、お姉様もご存知で?」

 

カズヤ「はい、前にメールで話して……だから、ついでに、カミングアウトしたんです」

 

僕「お姉様に? ゲイって明かしたんですか?」

 

カズヤ「はい。ゲイだから都会でしか生きていけないって……」

 

僕「お姉様は理解してくれましたか?」

 

カズヤ「差別的なことは言ってきませんでした。っていうか、『なんか、そんな気がしていた』って言うんです」

 

僕「よかったですね」

 

カズヤ「いえ、よくないです。姉は『今時、SNSとかあるから、ゲイだとしても、都会も田舎も関係ないでしょ?』って言うんです」

 

僕「ある意味、当たってますが……」

 

カズヤ「それだけでなく、姉は『あんた、もうすぐ50歳で相手いないんでしょ? 一生独り暮らしでしょ? お母さんと暮らしてやりなさいよ』って……ひどくないですか?」

 

僕「同性愛者だからと言って、孤独だろうっていうのは、思い込みですよね」

 

カズヤ「確かに、僕は、今は相手いないし、同棲経験もない。姉みたいに旦那の仕事がアメリカで、日本に帰れないとかはありません。でも……」

 

僕「カズヤさんは東京にいたいんですね?」

 

カズヤ「あんな田舎の……不便なところに……老いた母と2人暮らしだなんて……ゲイとして終わりです」

 

僕「ゲイの出会いは、まったく期待できないところなんですか?」

 

カズヤ「数年前に帰省した時、ちょっとアプリで相手探してみたんです。そしたら、30kmも離れてる人しかいなくて……しかも、既婚者で……日曜日の昼しか会えないって人で……」

 

僕「絶対数が少ないので……そうなりがちですよね」

 

カズヤ「もう、どうしたらいいか、わかりません」

 

僕「話を整理すると、お母様は80歳超えて、健康に不安がある。が、実家で独り暮らしで、都会に出てこないという。施設入所も嫌がっているんですよね?」

 

カズヤ「はい、嫌がってます。お金もありません。姉が出さないと言うので……」

 

僕「占うポイントは?」

 

カズヤ「どうしたら、姉がお金を出してくれるのか? 母親をどう説得して、施設に入れるべきか?」

 

僕「占いは、カズヤさんに対して指針を示すものであって、第3者の心を動かすことは難しいです」

 

カズヤ「姉や母の気持ちが変わる可能性はないのでしょうか?」

 

僕「可能性の大小は占えます。①お姉様がお金を出して、お母様が施設に入ってくれる。

②お姉様がお金を出して、カズヤさんが関東に戸建てを購入し、お母様と同居する。

③カズヤさんが実家でお母様と同居する。

この3者択一でいいですか?」

 

カズヤ「お願いします」

 

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3者択一のタロット占いの結果が出ました。

①お姉様がお金を出して、お母様が施設に入ってくれる。

↑「運命の輪」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置で貼り付けてます。

まだ、その時期ではありません。

↑「カップの4」正位置。

相手は聞く耳を持っていません。

 

②お姉様がお金を出して、カズヤさんが関東に戸建てを購入し、お母様と同居する。

↑「カップの7」正位置。

ちょっと都合よく考えています。あなたの考えは現実的ではありません。

↑「ワンドの10」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置で貼り付けてます。

思っているより、大変な思いをします。手離すことになるでしょう。

 

③カズヤさんが実家でお母様と同居する。

↑「ハングマン」正位置。

辛抱・我慢の時期です。が、いずれ報われます。

↑「カップの5」正位置。

失うものもありますが、残されるものもあるはずです。そこに目を向けましょう。

 

僕「①『お姉様がお金を出して、お母様が施設に入ってくれる』は、可能性低いです。

②『お姉様がお金を出して、カズヤさんが関東に戸建てを購入し、お母様と同居する』も、現実的ではありません。カズヤさんの家の購入費用をお姉様が出すことはないでしょう。

③『カズヤさんが実家でお母様と同居する』が最も可能性あります」

 

カズヤ「僕に田舎で母と暮らせと言うのですか?」

 

僕「ゲイとして都会にいたい気持ちはわかります。でも、田舎には田舎の良さがあるはずです」

 

カズヤ「……」

 

僕「ゲイに生まれたことで、いろいろ不利なことがあるのは、僕も承知しています。でも、だからといって、すべてゲイとしての生活や希望を最優先できるかというと、そうはいかない場合もあります。親の介護・仕事など、性的志向とは別の問題です」

 

カズヤ「……」

 

僕「お母様の介護も、一生続くわけではないでしょう」

 

カズヤ「とは言っても、たとえば、実家で母を10年介護したら、僕は60近くになってしまいます。その後、自由になったとしても……出会いはないでしょう」

 

僕「リモート勤務できるのですよね? とりあえず、1か月ぐらい、実家で暮らしてみたらいかがですか? タロットによると、今は気づいてない田舎の良さを知るはずです」

 

カズヤ「お試し帰省ですか? やってみてダメだったら?」

 

僕「その時、また考えましょう」

 

カズヤ「わかりました。ありがとうございます」

 

僕「ありがとうございました」

 

さて、今日の千一夜タロットです。

↑「剣のナイト」リバース(逆さま)。見やすくする為に正位置で貼り付けてます。

翼の生えた馬に乗り、しかも両手を手綱から離して、空を飛んでいます。

まさに、天馬に乗って、ひとっ飛びです。

 

が、リバース(逆さま)ですから、そうはうまくいかないということです。

 

↑「金貨のナイト」正位置。

こちらは、「剣のナイト」とは正反対。

丘の上で馬を止め、どうやったら降りられるか? 考えているところでしょうか。

 

2枚を合わせ読むと、

拙速に事をおこなってもうまくいきません。

状況をよく見渡して、慎重に物事を進めた方がいいのです。

 

焦ってはいけません。「急がば回れ」なのです。