ザ・ライターズ:ライターズ | かえるの音楽堂

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70年~80年のCROSSOVER(FUSION)とJAZZを中心にAORか
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どを紹介いたします。

THE WRITERS : THE WRITERS

(1978年)

 パーカッションのラルフ・マクドナルドを中心にセッション・ミュージシャン達で結成されたスーパーグループのファースト・アルバムです。スタッフと同じように日頃のセッションへの参加で溜まっていた不満を解消すべく、自分達の音楽をやりたいとの思いで結成したバンドです。メンバーは、ラルフ・マクドナルド(perc)、ジェリー・ピーターズ(key)、ジェフ・ミロノフ、ヒュー・マクラッケン(g)、アンソニー・ジャクソン(b)、フランク・フロイド(vo)の6人が正式メンバーで、ドラムにハーヴィー・メイソンが参加しています。アルバム・ジャケットは新聞のような感じで面白いデザインです。ジャケットにも6人のメンバーが写っています。実際はハーヴィー・メイソンもメンバーでしたが、契約の関係で、表だっては正式メンバーとの扱いになっていませんでした。ライターズという名前は、メンバー全員が曲を書けるということで付けたものです。メンバーは改めて紹介するまでもなくトップ・ミュージシャンばかりです。ギターはスタッフと同じくツイン・ギターです。プロデューサーはラルフ・マクドナルドです。彼はプレーヤーとしても一流ですが、プロデューサーとしてもグローヴァー・ワシントンJr.のヒット・アルバム「ワインライト」「カム・モーニング」や、渡辺貞夫の「フィル・アップ・ザ・ナイト」他、多くのヒット・アルバムを手がけています。またソングライターとしてもグローヴァー・ワシントンJr.の「ジャスト・ザ・トゥー・オブ・アス」「ビー・マイン」などを作っており非凡な才能を発揮しています。このアルバムでも6人と1人(ハーヴィー・メイソン)が全員曲作りに参加しています。一流ミュージシャンであるメンバーの作り出すサウンドはポップなものあり、ファンキーなものあり全曲飽きさせないすばらしい出来となっています。

 

1.HEY BABE(ヘイ・ベイブ)

2.LA LA LA ,LA ,LA LA LA(ラララ・ラ・ラララ)

3.TAHITI BREAKFAST(タヒチ・ブレックファースト)

4.STAR BLACK(スター・ブラック)

5.TOUCH ME(タッチ・ミー)

6.ONE MORE DRINK(ワン・モア・ドリンク)

 

1曲目「HEY BABE」はラルフの盟友ウィリアム・ソルターの曲です。フランク・フロイドのヴォーカルがフィーチュアされます。ギター・ソロはヒュー・マックラッケンです。ラルフのシンセサイザー・パーカッションのピコピコ音は70年代っぽい懐かしいサウンドです。2曲目「LA LA LA ,LA ,LA LA LA」はジェリー・ピーターズの作です。ライターズらしい個性的なアンサンブルです。ハーモニカとギターはヒュー・マッケラッケンです。3曲目「TAHITI BREAKFAST」はもうひとりのギタリスト、ジェフ・ミロノフの作です。ジェフとマッケラッケンのツイン・ギター掛け合いがいい感じの曲です。最初のソロがジェフ、後半のテーマに絡むソロがマッケラッケンです。4曲目「STAR BLACK」はフランク・フロイドを除く6人の共作です。曲のタイトルは映画“スター・トレック”に引っ掛けたのでしょうか?パーカッションとシンセの掛け合いはミーコの“スター・ウォーズ”の世界です。6人が持ち寄ったフレーズを繋げたような曲ですが、ちゃんと一つの曲として構成されているところが、さすが彼らの才能ですね。5曲目「TOUCH ME」はハーヴィー・メイソンの作のバラードです。ジェリー・ピーターズの美しいピアノのイントロからスタートしギターのマッケラッケンがソロを弾きます。6曲目「ONE MORE DRINK」はマッケラッケンの作のファンキーな曲です。ここでもフランク・フロイドのヴォーカルがフューチュアされます。彼らは超多忙な人達でしたので、翌年79年にセカンド・アルバム「オール・イン・ファン」をリリース後はグループとしての活動を休止してしまいました。スタッフにしろ、リー・リトナーのジェントル・ソウツ、そしてライターズといったトップ・セッション・ミュージシャンによるバンド・サウンドは今では聴くことができなくなったのが残念ですが、彼らの残した記録はいつまでも聴くことができます。