フィンガーズ:アイアート | かえるの音楽堂

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70年~80年のCROSSOVER(FUSION)とJAZZを中心にAORか
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どを紹介いたします。

FINGERSAIRTO

(1973年)

(1973年)

 ブラジル出身のパーカッショニスト、アイアート・モレイラはブラジルの土着的なリズムと、ジャズを融合させたブラジリアン・フュージョンを確立し世界中に広めました。アイアートは6歳でヴォーカルやパーカッションのコンテストに優勝し、16歳でプロとして本格的に活動を開始しました。60年代に“クアルテート・ノバ”のメンバーとして活動し、そのときにシンガーのフローラ・プリムと出会いました。フローラがアメリカに渡ったのをきっかけにアイアートもアメリカに渡り2人は結婚しました。ジョー・ザビヌルの紹介でマイルス・デイビスのグループに参加し、その後ウェザー・リポート、リターン・トゥ・フォーエヴァーに参加し活躍しました。リターン・トゥ・フォーエヴァーに参加するとともに同じ時期にCTIレコードよりアルバム「フリー」を発表しました。「フリー」はRTFのメンバーも参加し、音楽的にも近い作品でした。そして73年に発表された作品がこの「フィンガーズ」です。参加メンバーはアイアート(perc,ds,vo)、フローラ・プリム(perc,vo)、デヴィッド・アマロ(g)、ウーゴ・ファトルソ(key,herp,vo)、ジョージ・ファトルソ(ds,vo)、リンゴ・シールマン(b,vo)です。このアルバムでは、リズムミックでパーカッシブなブラジルのアフロ・サンバとジャズ、ロックが見事に融合したブラジリアン・フュージョンが展開します。

 

1.FINGERS(フィンガーズ)

2.ROMANCE OF DEATH(死のロマンス)

3.MERRY-GO-ROUND(メリー・ゴー・ラウンド)

4.WIND CHANT(ウィンド・チャント)

5.PARAMA(パラマ)

6.SAN FRANCISCO RIVER(サン・フランシスコ・リヴァー)

7.TOMBO IN 7/4(トンボ・イン7/4

 

  1曲目「FINGERS(フィンガーズ)」はアルバム・タイトル曲です。パーカションとヴォーカルを中心にウーゴ・ファトルソのエレピ、デヴィッド・アマロのギターが絡んで最初から乗りのいいラテン・ファンク曲です。2曲目「ROMANCE OF DEATH(死のロマンス)」はウーゴ・ファトルソ作のアップテンポなラテン・フュージョンです。シンセ、ギター、パーカッション、スキャット・ヴォーカルが軽やかな曲です。3曲目「MERRY-GO-ROUND(メリー・ゴー・ラウンド)」はアイアート作のポップな感じのラテン・インスト・ナンバーです。4曲目「WIND CHANT(ウィンド・チャント)」はウーゴ・ファトルソのキーボードが活躍するファンキーな曲です。ウーゴの控えめだけど、でもツボを押さえたキーボード・プレイがさすがブラジリアンですね。6曲目「SAN FRANCISCO RIVER(サン・フランシスコ・リヴァー)」はフローラ・プリムの作です。雄大なアマゾンの自然を感じさせる曲です。フローラのヴォーカルも前面に出るのでなく効果的に使われています。そして7曲目「TOMBO IN 7/4(トンボ・イン7/4)」はアイアート作の人気サンバ曲です。この曲はクラブでDJがプレイし、サッカー場やカーニバルでもお馴染みです。アイアートとフローラ夫妻はその後も多岐に渡り活躍しています。アイアート自身もこの後、アリスタ・レーベル、ワーナーブラザースなどから多くのアルバムを出したり、様々なミュージシャンの作品に参加したりと精力的に活動しています。