ジャングル・フィーヴァー:ニール・ラーセン | かえるの音楽堂

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JUNGLE FEVER : NEIL LARSEN

(1978年)

 ラーセン・フェイトン・バンド、あるいはフル・ムーンのキーボード奏者ニール・ラーセンのファースト・アルバムです。70年代まさにフュージョン花盛りの頃に発表されたアルバムです。メロウでポップな作品であり、インストメンタルなAORアルバムとも言える仕上がりで、今聴いても古臭さを感じさせません。プロデューサーはトミー・リピューマ、エンジニアはアル・シュミットです。参加メンバーは、ニール・ラーセン(keyb)、盟友バジー・フェイトン(g)、ウィリー・ウィークス(b)、アンディー・ニューマーク(ds)、ラルフ・マクドナルド(perc)、ジェリー・ヘイ(tp)、マイケル・ブレッカー(ts)、ラリー・ウィリアムス(as,fl)とニューヨークのフュージョン・シーンの精鋭達です。ニールの良き相棒であるバジー・フェイトンは、このアルバムでも片腕として活躍しています。曲は全8曲中1曲を除きニール・ラーセンのオリジナルです。それらオリジナル曲の出来の良さや、アレンジのセンスの良さも特筆すべきもので、だからこそ34年経った今でも古くさくないのでしょね。

 

1. SUDDEN SAMBA(サドゥン・サンバ)

2. PROMENADE(プロムナード)

3. WINDSONG(ウィンドソング)

4. EMERALD CITY(エメラルド・シティ)

5. JANGLE FEVER(ジャングル・フィーヴァー)

6. RED DESERT(レッド・シティ)

7. LAST TANGO IN PARIS(ラスト・タンゴ・イン・パリ)

8. FROM A DREAM(フロム・ァ・ドリーム)

 

 1曲目「SUDDEN SAMBA(サドゥン・サンバ)」はタイトルどおりサンバ曲です。軽快なパーカッションに乗ってニールのオルガンが続きます。ニールはこのアルバムではオルガンを多用しており、この時代の他のキーボード奏者とは異なったアプローチの仕方です。ニールに続きバジーのギター・ソロが絡みます。2曲目「PROMENADE(プロムナード)」ではニールのエレピとアコースティック・ピアノが美しく聴き応えがあります。バックのラルフ・マクドナルドのパーカッションも効果的に使われています。3曲目「WINDSONG(ウィンドソング)」ここでもバジーのギター・ソロが聴けます。ニールもやはりオルガン・ソロを聴かせます。この曲はジョージ・ベンソンもライブ・アルバム「メローなロスの週末」で取り上げていました。4曲目EMERALD CITY(エメラルド・シティ)」ニールのエレピに続き、マイケル・ブレッカーのテナー・ソロが熱いです。このアルバムのハイライトの一つはマイケルのプレイと言ってもよいと思います。5曲目アルバム・タイトル曲「JANGLE FEVER(ジャングル・フィーヴァー)」のイントロでのキーボードとドラムの絡みも面白いです。ドラムのアンディー・ニューマークはボブ・ジェームスのアルバムによく参加していましたが、このアルバムでの彼の軽快なスティックさばきも聴き所です。ロック・フィーリング溢れるバジーのギター・ソロもいいですね。6曲目「RED DESERT(レッド・シティ)」もダイナミックなオルガン・ソロを中心とした曲です。7曲目「LAST TANGO IN PARIS(ラスト・タンゴ・イン・パリ)」は、ガトー・バルビエリ作曲で同名映画の主題歌です。ドラムとパーカッションのイントロに続き、ニールのオルガンでメロディーが弾かれます。そして続くマイケル・ブレッカーが熱くテナーでブローします。いやーマイケルのソロ、もっといっぱい聴きたいですね。ラスト8曲目「FROM A DREAM(フロム・ァ・ドリーム)」はキーボードとギター、ベースが上手く絡み合った繊細なタッチの曲です。アルバム・ジャケットに写るニールはスリムで物静かな繊細な感じの人に見えますが、アルバムも決してキーボードが主張するわけでなく、でもそこそこで効果的にソロを取り熱いプレイも聴け、またバックのミュージシャンをうまく使っており、時代を超えてずっと聴かれるアルバムであると思います。