プリティー・ワールド:小野リサ | かえるの音楽堂

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104-PrettyWorld













PRETTY WORLD : RISA ONO
(2000年)
 梅雨らしい天気が続きますね。こういった時期ですからこそ涼しげな曲でも聴きたくなります。本日ご紹介するアルバムは、ブラジルで生まれ子供時代を現地で過ごした、日本人ボサノヴァ・シンガー・小野リサのアルバムです。このアルバムは、プロデュースとアレンジにブラジルが生んだ天才アレンジャー、デオダートを迎えニューヨークで録音されました。取り上げた曲は60年~80年代のスタンダードからポップスまで、良く知られた作品をボサノヴァに仕上げています。全編に渡るキーボードもデオダートが弾いています。すごく上品で都会的なアレンジと演奏、それに乗って透明感があり、時にクールなんだけど独特のグルーヴ感を持った彼女の歌声はとても爽やかにさせてくれます。

01. Um Homme Et Une Femme(A Man And Woman)(男と女)
02. I Wish You Love(アイ・ウィッシュ・ユー・ラヴ)
03. My Cherie Amour(マイ・シェリー・アモール)
04. Be With Me(ビー・ウィズ・ミー)
05. Pretty World(プリティ・ワールド)
06. All The Way(オール・ザ・ウェイ)
07. Mr. Tom(ミスター・トム)
08. I Left My Heart In San Francisco(思い出のサンフランシスコ)
09. Yesterday(イエスタデイ)
10. This Masquerade(マスカレード)
11. You Are The Sunshine Of My Life(サンシャイン)
12. Every Breath You Take(見つめていたい)

 1曲目「Un Homme Et Ume Femme(A Man And A Woman)」はフランシス・レイの曲で、1966年のフランス映画「男と女」の主題歌です。小野リサはここではフランス語で歌っています。フランス語の響きはすごくポルトガル語の響きと似ており、とてもぴったりはまっています。2曲目「I WISH YOU LOVE」もフランスの曲です。デオダートのピアノ演奏とアレンジも、とても素敵な感じですね。3曲目「My Cherie Amour」はスティービー・ワンダーの名曲です。多くのアーティストが色々なタイプの音楽でカバーしていますが、デオダートの軽快なアレンジに乗ってしっかりボサノヴァになっています。思わず体が動いてしまいますね。4曲目「Be With  Me」は小野リサのオリジナル・ラブ・ソングです。この曲もとても良い曲です。5曲目「Pretty World」はアントニオ・アドルフォ作曲のラブ・ソングです。6曲目はフランク・シナトラの歌で知られる曲「All The Way」です。デオダートのピアノと美しいストリングスをバックに小野リサが歌います。7曲目「Mr. Tom」はデオダートの作詞・作曲で、アントニオ・カルロス・ジョビンに捧げた曲です。シンプルなボサノヴァ曲に仕上がっています。そう言えばデオダートはかつてジョビンのアルバムでアレンジを行っていましたね。デオダートと小野リサのジョビンに対する敬愛の気持ちが表されている曲です。8曲目「I Left My Heart In San Francisco(思い出のサンフランシスコ)」はトニー・ベネットの定番曲ですね。まだ行ったことはないのですが、情景が目に浮かぶような感じです。9曲目「Yesterday」言うまでもなくビートルズの名曲がボサノヴァになってしまいました。ここでもデオダートのセンスの良いアレンジが光ります。10曲目「This Masquerade」これも多くの人がカバーしているレオン・ラッセルの名曲です。カーペンターズやジョージ・ベンソンで有名です。中でもジョージ・ベンソンの大ヒットは忘れられません。小野リサのアンニュイな感じの歌声もとても良いですね。アレンジも最高。11曲目「You Are The Sunshine Of My Life」は再びスティービー・ワンダーの名曲です。スティービーのラブ・ソングがボサノヴァに変身です。デオダートのエレピも小気味よくて良い感じですね。もちろん歌もグッドです。12曲目「Every Breath You Take」はポリスのヒット曲をボサノヴァにしてしまいました。もちろん素晴らしい仕上がりです。選曲からアレンジ、演奏、歌唱すべて言うことなしのアルバムです。そよ風が吹き抜けていくような本当に爽やかなアルバムですよ。ぜひ皆様も一度お聴きになって、これからの暑い夏を乗り切りましょう。