リヴァー・オブ・ラヴ:デヴィッド・フォスター | かえるの音楽堂

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078-リヴァー・オブ・ラヴ












RIVER OF LOVE : DAVID FOSTER
(1990年)
 デヴィッド・フォスターの前作“DAVID FOSTER”はオリビア・ニュートン・ジョンとのデュエット曲など2曲の歌物以外はインスト・メインのアルバムでした。今回紹介する作品はそれに続くポップ・アルバム第2弾で、全11曲中10曲がヴォーカル作品となっています。フォスターお気に入りのヴォーカリストを曲ごとに使い分けており、極上のAOR作品に仕上がっています。ヴォーカリストはフォースターの秘蔵っ子ウォーレン・ウィービーが5曲でメインを取っており、他にブライアン・アダムス、ヘイミッシュ・スチュワート、ナタリー・コール、ジェフ・ペシェット、マイク・レノらが歌っています。今回のアルバムでは1曲を除きフォスターはプロデュースを行っていません。プロデュースはこれまでエンジニアとしてフォスターを支えてきた、ウンベルト・ガティカが担当しており、フォスターは裏方に徹しているのでサウンド的にもこれまでのフォスターの作品と違うと感じられます。またクレジットを見ると今回はシンセサイザーのプログラミングに10人以上のプログラマーを参加させています。そのためシンセのサウンドが多彩でシンセっぽくない暖かみのあるサウンドに仕上がっています。それとともにフォスターはリード・ヴォーカルを取っていません。そういったことがフォスター色を薄めこれまでと違った作品になったものと思います。その他の参加メンバーは、ディーン・パークス、ポール・ジャクソン・Jr.、マイケル・ランドウ、スティーヴ・ルカサー(g)、グレッグ・フィリンゲインズ(kbds)、ネーザン・イースト(b)、ジョン・ロビンソン(ds)、ヴィニー・カリウタ、パウリーニョ・ダ・コスタ(perc)、スティーブ・ガッド(perc…M-2)、ビル・チャンプリン(vo)他です。

01.RIVER OF LOVE(リヴァー・オブ・ラヴ)
02.WALKAWAY(ウォークアウェイ)
03.THIS MUST BE LOVE(ディス・マスト・ビー・ラヴ)
04.IS THERE A CHANCE(チャンス)
05.FREEDOM(フリーダム)
06.GROWN-UP CHRISTMAS LIST(クリスマス・リスト)
07.YOU'RE THE VOICE(ヴォイス)
08.LIVING FOR THE MOMENT(リヴィング・フォー・ザ・モーメント)
09.ALL I EVER NEEDED(オール・アイ・エヴァー・ニーディッド)
10.ONE STEP CLOSER(ワン・ステップ・クローサー)
11.INSIDE YOU (インサイド・ユー)

 アルバム・タイトル曲である1曲目「RIVER OF LOVE(リヴァー・オブ・ラヴ)」はウォーレン・ウィービー、ブライアン・アダムスにヘイミッシュ・スチュワートの3人がリード・ボーカルと取っており、ビル・チャンプリンらのコーラスと言い実にスケールが大きく壮大な雰囲気の曲です。デヴィッド・フォスターはアレンジ、キーボードの他ベースも弾いています。彼はこういった曲のアレンジでは非凡な才能を発揮しますね。2曲目「WALKAWAY(ウォークアウェイ)」はアンディ・ヒルとピート・シンフィールドの作です。リード・ヴォーカルはウォーレン・ウィービー、ギター・ソロはマイケル・ランドウです。スティーヴ・ガッドがパーカッションで参加していることも注目です。3曲目「THIS MUST BE LOVE(ディス・マスト・ビー・ラヴ)」はデヴィッド・フォスターとラモンド・ドジャーの共作です。リード・ヴォーカルはウォーレン・ウィービーとジェフ・ペシェットです。ディーン・パークスのシタール、ポール・ジャクソン・Jr.のギターが懐かしい感じの響きです。アレンジはフォスターとビル・マイヤーズです。フォスターらしいバラードに仕上がっています。4曲目「IS THERE A CHANCE(チャンス)」はフォスター、ブライアン・ウィルソンらの共作です。リード・ヴォーカルはウォーレン・ウィービーです・スティーヴ・ルカサーの弾くコード・ワークが印象的な曲です。5曲目「FREEDOM(フリーダム)」はデヴィッド・フォスター作の曲で本アルバム唯一のインスト・ナンバーです。キーボードとベースはフォスターで、ディーン・パークスがアコギを弾いています。フォスターらしい美しいピアノが聴けます。6曲目「GROWN-UP CHRISTMAS LIST(クリスマス・リスト)」はデヴィッド・フォスターとリンダ・トンプソンの作です。もはやクリスマスの定番曲との言える作品で、リード・ヴォーカルがナタリー・コールでデヴィッド・フォスター伴奏のデュオ曲です。年末にぴったりのバラード・ナンバーです。7曲目「YOU'RE THE VOICE(ヴォイス)」はクリス・トンプソン他4名の共作で、リード・ヴォーカルはジェフ・ペシェットです。8曲目「LIVING FOR THE MOMENT(リヴィング・フォー・ザ・モーメント)」はデヴィッド・フォスター、リンダ・トンプソンら3名の共作です。マイナーなメロディ・ラインのポップな曲です。リード・ヴォーカルはウォーレン・ウィービー、ディーン・パークスがアコギを弾き、フェンダー・ローズはグレッグ・フィリンゲインズです。9曲目「ALL I EVER NEEDED(オール・アイ・エヴァー・ニーディッド)」デヴィッド・フォスターとマイク・レノの共作で、リード・ヴォーカルはマイク・レノをフィーチャーしたロック・バラードです。10曲目「ONE STEP CLOSER(ワン・ステップ・クローサー)」はデヴィッド・フォスター、ジェフ・ペシェットら3人の共作です。リード・ヴォーカルはジェフ・ペシェットで、ピアノ・ソロがブルース・ホーンズビーです。フォスターはハモンドB-3オルガンを弾いています。11曲目「INSIDE YOU (インサイド・ユー)」はトム・キーン、ウィル。ジェニングス、デヴィッド・フォスターの共作です。リード・ヴォーカルはヘイミッシュ・スチュワートです。これまでのインスト中心のアルバムとは反対にヴォーカル中心の作品だけにフォスター色は薄いのですが、大人のAOR作品になっています。