フォー:ボブ・ジェームス | かえるの音楽堂

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037-BJ4













BJ4: BOB JAMES
ボブ・ジェームスのCTI第4作目の作品です。(現在はTAPPNN ZEE)この作品はボブのアルバムの中でも取り上げられることが少ないように思えます。しかし私はボブの作品の中でも重要な位置にあるのではないかと考えます。まずこの作品を最後にCTIからCBSに移籍しました。そして移籍後はフュージョンだけでなく、AORやサルサなどCBS所属アーティストのプロデュースやアレンジを行うとともに、CBS傘下で自己のレーベル“TAPPAN ZEE”を立ち上げました。そんなボブの分岐点にあたる作品であると言うことです。また内容的にもこれまでのいかにもCTIらしいサウンドから、TAPPNN ZEEでのボブの最初の作品“HEADS”に通じるサウンドになったと言うことです。プロデューサーはクリード・テイラーですが、内容はかなりボブのサウンド嗜好が感じられると思います。これまでのようなクラシックのアダプテット作品もなく、全6曲中4曲はボブのオリジナル作品となっています。また3曲目のオリジナル作品のタイトルは“TAPPN ZEE(タッパン・ジー)”とその後設立の自身のレーベル名であることです。参加ミュージシャンはボブ・ジェームス(keyb)、アート・ファーマー(tp,flh)、ヒューバート・ロウズ(fl)、エリック・ゲイル(g)、ゲイリー・キング(b)、スティーヴ・ガッド(ds)、ラルフ・マクドナルド(perc)他です。ゲイリー・キングとスティーヴ・ガッドの重厚なリズムをバックにヒューバート・ロウズ、エリック・ゲイル、アート・ファーマーそしてボブのソロの組み合わせ、いかにもボブ・ジェームスらしいサウンドが展開されます。

1.Pure Imagination(ピュア・イマジネーション)
2.Where The Wind Blows Free(風のふくまま)
3.Tappan Zee(タッパン・ジー)
4.Nights Are Forever Without You(孤独の夜明け)
5.Treasure Island(宝島)
6.El Verano(エル・ヴェラノ)

1曲目「Pure Imagination(ピュア・イマジネーション)」は、映画「夢のチョコレート工場」のためにアンソニー・ニューリーが書いた曲です。リズミックであり、かつメロディアスな曲でガッド&ゲイリー、エリック・ゲイルのリズム隊をバックにボブのアコピ・ソロが光っています。2曲目「Where The Wind Blows Free(風のふくまま)」はボブのオリジナルです。ヒューバート・ロウズのフルート・ソロが爽やかな曲です。そしてエリック・ゲイルのブルージーなギター・ソロ!70年代フュージョンらしい曲です。3曲目「Tappan Zee(タッパン・ジー)」もボブのオリジナルです。タイトルはニューヨーク州のボブの家の近くの橋“タッパンジー・ブリッジ”より取ったものです。シンプルな曲ですが乗りのよいサウンドです。ガッド&ゲイリーのリズムに支えられて、木管楽器をフューチャーし、ボブはアコピを弾いています。4曲目「Nights Are Forever Without You(孤独の夜明け)」はイングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーのヒット曲のカバーです。なんと言ってもエリック・ゲイルの泣きのギターが光っています。5曲目「Treasure Island(宝島)」はボブのオリジナルでちょっとエキゾチックな感じの幻想的なサウンドです。ソロはボブ、アート・ファーマー、エリック・ゲイルです。6曲目「El Verano(エル・ヴェラノ)」もボブのオリジナルです。ちょっと哀愁を感じさせる曲です。エリック・ゲイルのカッティング、ゲイリー&ガッドのリズムをベースにヒューバート・ロウズがメロディを吹きます。そしてアート・ファーマーのリリカルなトランペット・ソロが盛り上げます。これまでのいかにも絢爛豪華なCTIの作品とは趣も異なり若干地味に感じますが、私は結構好きで当時よく聴いていました。ひとつ残念なのはCTIにしては手を抜いたと思われるジャケット・デザインです。なんかスナップ写真ぽいボブの写真にBJ4の立体文字を配置したデザインはちょっと惜しいかな。