ラムゼイ・トーキング・アナザー・ルック:ラムゼイ・ルイス&エレクトリック・バンド | かえるの音楽堂

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034-RAMSEY LEWIS













LAMSEY TAKING ANOTHER LOOK : LAMSEY LEWIS AND HIS ELECTRIC BAND
(2011年)
 ラムゼイ・ルイスは1935年の生まれですから今年80歳になります。1956年頃のオリジナル・アルバム・リリース以降これまで70枚以上の作品を発表しています。その中には
1965年の作品“THE IN CROWD”や1974年の作品“SUN GODDES”といったグラミー賞を獲得した作品もあります。そしてラムゼイは今も現役で活躍しています。今回紹介する作品は2011年発表のアルバムで、その名義にもあるように彼の“エレクトリック・バンド”をフューチャーしたものです。バンドのメンバーはMIKE LOGAN(keyb)、CHARLES HEATH(ds)、HENRY JOHNSON(g)、JOSHUA RAMOS(b)の4人です。“エレクトリック・バンド”とは謳っていますが、ラムゼイ自身はエレピだけでなくスタンウェイ・ピアノをバリバリ弾いていますし、またベースもエレクトリックとウッド・ベースも弾いていますのでそれほど“エレクトリック”に拘っているわけでもないようです。曲は全10曲でうち5曲が「SUN GODDES(太陽の女神)」に収録していた曲のリメイクで、1曲が1977年のアルバム「TEQUILA MOCKINGBIRD(テキーラ・モッキンバード)」収録曲のリメイクです。そして残りがスタイリスティックスのカバー1曲と新曲になります。聴いてみるとリメイクといったことは抜きにしてもエレピの使い方とか、シンセの使い方なんか「SUN GODDES(太陽の女神)」の時代に通じる音作りになっており、若干ノスタルジックなイメージを受けたりします。昔からのラムゼイのファンには難なく受けいられるサウンドではないでしょうか。

1.INTIMACY
2.TAMBURA
3.LOVE SONG
4.LIVING FOR THE CITY
5.BETCHA BY GOLLY WOW!
6.TO KNOW HER IS TO LOVE HER 
7.THE WAY SHE SMILE
8.JUNGLE STRUT
9.SHARING HER JOURNEY
10.SUN GODDESS

1曲目「INTIMACY」は「TEQUILA MOCKINGBIRD」収録曲のリメイクです。イントロはちょっと哀愁を帯びたギターのソロからスタートしラムゼイのスタインウェイのソロと続き、バンドの演奏になります。抑え気味ながら内に情熱を込めた演奏で結構スタインウェイをガンガン弾いています。2曲目「TAMBURA」は「SUN GODDES」の収録曲です。エレピの使い方なんか当時と大きく変わっていません。シンセのサウンドも70年代っぽい感じです。3曲目「LOVE SONG」も「SUN GODDES」からのリメイクです。アコピの響きが懐かしい感じです。4曲目「LIVING FOR THE CITY」はスティーヴィー・ワンダー作で、この曲も「SUN GODDES」からのリメイクです。ラムゼイはエレピを弾いています。懐かしくもファンキーな演奏です。5曲目「BETCHA BY GOLLY WOW」はスタイリスティックスのカバーです。シンセ・ストリングスを効果的に使って、ラムゼイはアコピを弾いています。ちょっとスムース・ジャズ的な曲です。6曲目「TO KNOW HER IS TO LOVE HER」はラムゼイ作の新曲です。アコースティックな響きもダイナミックな曲です。7曲目「THE WAY SHE SMILE」もラムゼイ作の新曲です。やはりアコピを弾いています。HENRY JOHNSONのギター・ソロ、ラムゼイとの掛け合いがあって盛り上がりながら終わります。8曲目「JUNGLE STRUT」も「SUN GODDES」からのリメイクです。ウッド・ベース・ソロのイントロからスタートします。シンセ、エレピが懐かしい響きです。9曲目「SHARING HER JOURNEY」はラムゼイ作の新曲です。そして10曲目「SUN GODDESS」だけは新録でなく、アルバム「SUN GODDESS」からモーリス・ホワイトとアース・ウインド&ファイアーのメンバーが参加したオリジナル・マスターを使い、リミックスして収録しています。このアルバムを聴いてみると、ラムゼイ・ルイスはこれまで長い間その時々に色々なサウンドを吸収しながら活動してきていますが、根っこの部分で昔と変わることなくずっとファンキーでソウルフルなピアニストなんですね。