未来への誓い:ケニー・ロギンス | かえるの音楽堂

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029-未来への誓い













CELEBLATE ME HOME : KENNY LOGGINS
(1977年)
 ケニー・ロギンスは、1972年にデビューし、ジム・メッシーナとデュオ、ロギンス&メッシーナを結成し、「HOUSE AT POOH CORNER(プー横町の家)」、「YOUR MAMA DON’T DANCE(ママはダンスを踊らない)」などのヒットを飛ばしました。ケニーは、ウエスト・コーストの名コンビ、ロギンス&メッシーナを77年に活動停止し、その年に名プロデューサー、フィル・ラモーンとフュージョン界の重鎮ボブ・ジェームスをプロデューサーに迎えファースト・ソロ・アルバムを制作しました。フィル・ラモーンは当時ビリー・ジョエルの名作「ストレンジャー」のプロデュース等で多くのヒット作を手がけていました。またボブ・ジェームスは75年にCBSとプロデューサー契約をし、またCBS傘下のレーベルとして“TAPPAN ZEE”を立ち上げました。“TAPPAN ZEE”からのボブ自身のアルバムは、77年に入り発表された「HEADS(ヘッズ)」でした。時期的に言えばケニー・ロギンスのアルバムの後に制作に入ったと思われます。バックのメンバーはボブ・ジェームス人脈で、エリック・ゲイル、リー・リトナー、ハイラム・ブロック、ロベン・フォード、ヒュー・マックラッケン、スティーヴ・カーン、ディーン・パークス(g)、リチャード・ティー(org)、ラルフ・マクドナルド(perc)、スティーヴ・ガッド、ハーヴィー・メイソン(ds)、パティ・オースティン(back-vo)他とフュージョン界の一流ミュージシャンが参加しています。ボブはプロデュースとともにアレンジとキーボードも担当しており、またアルバムタイトル曲はケニーとボブの共作です。
1.Lady Luck(レディ・ラック)
2.If You Be Wise (イフ・ユー・ビー・ウィズ)
3.I Believe in Love(愛を信じて)
4.Set It Free(セット・イット・フリー)
5.Why Do People Lie(ホワイ・ドゥー・ビー・ライ)
6.Enter My Dream(エンター・マイ・ドリーム)
7.I've Got the Melody (アイヴ・ゴット・ザ・メロディ)
8.Celebrate Me Home(セレブレイト・ミー・ホーム)
9.Daddy's Back(ダディーズ・バック)
10.You Don't Know Me(ユー・ドント・ノウ・ミー)

1曲目「Lady Luck(レディ・ラック) 」トミー・テデスコの弾くマンドリン、ブズーキ、マンドリンがちょっとエキゾチックでワールド・ミュージックの香りがします。この曲では終盤のハイラム・ブロックのソロが彼らしくて素晴らしい演奏です。2曲目「If You Be Wise (イフ・ユー・ビー・ウィズ)」はジム・ウェブの詞にケニーが曲を付けたミディアム・バラードです。パティ・オースティンがバック・コーラスで参加しています。3曲目「I Believe in Love(愛を信じて)」ジョン・クラークのソプラノ・リコーダーが活躍するポップな曲です。4曲目「Set It Free(セット・イット・フリー)」ボブ・ジェームスのエレピが美しいバラードです。ストリングス&ホーン・アレンジも曲を引き立てています。5曲目「Why Do People Lie(ホワイ・ドゥー・ビー・ライ)」ケニーと妻エヴァ・エインの共作です。ジョン・クラークとヴィンス・デナムのサックスをフューチャーしています。6曲目「Enter My Dream(エンター・マイ・ドリーム)」夢の世界を歌った幻想的な曲です。7曲目「I've Got the Melody (アイヴ・ゴット・ザ・メロディ)」はパティ・オースティンの曲です。バック・ヴォーカルはパティ・オースティン、またドラムはスティーヴ・ガッドです。8曲目「Celebrate Me Home(セレブレイト・ミー・ホーム)」アルバム・タイトル曲でボブ・ジェームスとケニーの共作です。ボブのピアノをバックにしっとりと歌うバラードです。リチャード・ティーのオルガンも注目です。9曲目「Daddy's Back(ダディーズ・バック)」はケニー・ロギンスとデヴィッド・フォスター共作の注目曲です。ラスト10曲目「You Don't Know Me(ユー・ドント・ノウ・ミー)」はこのアルバム唯一のカバー曲です。ボブ・ジェームスのフェンダーローズ・ピアノとエリック・ゲイルのギターをバックにケニーがしっとりと歌い上げます。私としてはボブ・ジェームスがプロデュース、アレンジを担当していること、そしてバックのフュージョン系のミュージシャンに注目し買ったアルバムです。ケニー・ロギンスの爽やかなハイトーン・ヴォーカルと、ボブ・ジェームスのお洒落な都会的フュージョンが融合したAORの傑作です。