Twitterでとても素敵(私好み)な絵を書く方がいらっしゃいまして、
その絵を見てる時にパッと思い浮かんだやつです
一日短編小説(むっちゃ長いけど)
1日目―――
「出来た・・・」
その声と同時に俺の手はボタンを押した。
[START]
カチ・・・
ゆっくりと瞼が開く。
空のような青く輝く瞳がこちらを見た。
自然に笑みが溢れた。
「こんにちは」
「コン・・・ニチ・・・ハ」
初めて交わした会話だった。
2日目―――
「そうだ、名前決めよっか。」
「ナマエ・・・?」
「そう。いろいろ考えてみたんだよね。どれがいい?」
君の前に名前を書いた紙を差し出した。
ガ・・・シャン
ゆっくり動き出した指先。
指した先。
「タ・・・ツヤ」
「竜也・・・」
俺はびっくりしたんだ。
だって漢字は教えてないのに勝手に読めたんだから。
「ね・・・ねぇなんで読めたの?」
「・・・ユウイチガ、ツブヤイテタカラ」
俺が呟いた・・・
それはまだ竜也が完成する前・・・そんな時のことも覚えてたんだ・・・
「じゃあ竜也ね。」
そう言って頬に触れた。
少し柔らかくて、とっても暖かかった。
胸の鼓動がトクンッと音を鳴らした。
3日目―――
「竜也、ちょっと外に出てみようか。」
「ソト・・・」
「うん。外。」
外とはいえ、竜也はチューブで繋がれてたからベランダだけど・・・
ガラガラッ
「ほら、出てごらん。」
「ソ・・・ト」
恐る恐る踏み出した竜也。
「ン!!」
プシュッ
「どしたの!!」
後ろによろけるから、びっくりした。
「ンーンー!!」
と言いながら足をジタバタさせている。
「靴・・・履いてなかったね。」
冷たいって言葉が言えなかったんだ。
「はい、靴履いて。」
初めて履く靴はどうしてもいずかったみたいで。
ずーっと「ウー」って唸ってたけど。
そこもまた可愛かった。
そこで俺は気づいた。
もしかして俺...竜也のことが好きなのか―――?
4日目―――
俺が書いてる論文を横からまじまじと見る竜也の姿。
「竜也、字書いてみる?」
不意に出た言葉。
でも竜也は微笑んで。
「ウン!」
せめて自分の名前位書けなきゃね。
ペンを持った竜也の手の上から俺の手を添える。
’’竜也’’
不器用だけど、一所懸命書いたのが伝わった。
竜也は嬉しそうに
「タツヤ!!カケタ!!!」
そう言いながら俺に抱きついた。
胸が苦しかった。
ギューッて締め付けられるような。
そんな感覚に襲われた。
5日目―――
竜也がこの世界で生きられるのは、あと『2日』
迫るTimeLimit
「ネェ、ユウイチ!!!」
竜也は本当に何も知らないんだって。
別れたくない。
このままずーっと一緒にいたい。
どうにかできないか・・・
俺は新しい薬の開発に取り掛かった。
どうにかして1日でも竜也をこの世界に長く・・・
竜也と少しでも長く―――
6日目―――
この世界にも慣れ始めた竜也。
今日も絵を書いたりしている。
「ネェ、ユウイチ!!」
「あー、ごめん。今話しかけないで。」
この時俺は何も考えなかった。
竜也の気持ちだって。
竜也もここに長く居たいって。
勝手に決めつけてたんだ。
俺は初めて竜也が涙を流したところを見なかった。
俺は何も・・・してやれなかった。
7日目―――
やっと新薬の開発までこぎつけた。
「竜也、これ飲んで!!!」
「・・・イヤ」
初めて竜也が俺に対して反発したんだ。
「どうして?これを飲めばもっと長く一緒に入れるn―――」
「イヤッ!!!」
これほどまでに竜也は傷ついていたのだ。
その傷を癒すことさえもできぬまま別れるなんて絶対に―――
「竜也・・・」
「ゼッタイ・・・ノマナイ」
「分かった。でもその代わりにひとつだけお願いがある。」
「オネガイ・・・」
「俺と今日一日だけ、付き合ってくれない?」
「ツキアウ・・・」
男同士なんて可笑しいかもしれないけど。
それでも良かった。
「ワカッタ」
一緒に絵書いたり。
何か教えてあげたり。
一緒に入れるだけでこんなに幸せだったんだって。
12時になる5分前。
「竜也、今日はありがとうね。本当に楽しかった。」
「ウン。」
しばらく続く沈黙。
竜也もずーっと分かっていたんだ。こうなることも、全部。
残り1分・・・
「竜也・・・俺n―――」
竜也がキスをしてきた。
「ありがとう、雄一。楽しかった。」
「竜也・・・」
「ありがとう―――」
そう言って竜也は、俺の前から姿を消した。
だから俺は心の中で呟いた。
『ありがとう』
