No.14 まりも号脱線事件


1951年5月17日午前1時25分
上り急行まりも号4レは、
新得駅を出て狩勝峠に
さしかかったところで脱線

蒸気機関車が線路外に逸脱して
宙吊り状態になったものの、
上り坂で速度が
出ていなかったこともあり、
乗客約470名にケガはなく
機関士1名が軽傷
負うだけの被害で収まった。

仮に、
勾配を下る列車であったならば、
速度も増し、
より多くの犠牲者が出る
大事故に繋がったものと考えられている。


原因は、
レールの継ぎ目板を外し
レールを4 cm ずらすというものであり、
1949年に発生した
松川事件の状況と類似していたこと、
また、
新得が大規模な労働争議が
行われていた場所であったことから、
警察は捜査対象者を国鉄関係者
とりわけ労働組合関係者
重点的に600名とも
いわれるほどの規模で
事情聴取を行った。

一方、まりも号の荷物車には、
200万円の現金が積まれていたことから、
現金強奪を狙った
可能性もあるとして
両面からの捜査が行なわれた。

しかし、
有力な物的証拠や
目撃証言等は得られず、
捜査は難航
事件解決の名を借りた
組合叩きとの批判も噴出する中、
詳細は解明されないまま
未解決事件となった。