
八幡不知森 [出現地] 千葉県
「神隠し」という現象をご存知だろうか。
神隠しとは、何の前ぶれもなく人が忽然と姿を消してしまう現象で、その真相については拉致・誘拐・家出などから宇宙人によるアブダクション説や異次元移動説まで多岐にわたる。
この八幡不知森(やわたしらずのもり)もまた、一度入ったら二度と出てこられないと言われる神隠しの森である。
千葉県市川市に実在する森だが、禁足地(足を踏み入れてはならない土地)として柵に覆われていて中に入る事はできない。
なぜ禁足地となったのかについては諸説あるが、平将門とその家臣の祟り、水戸黄門こと水戸光圀公が迷いこんだ際妖怪に出会った、など妖(あやかし)の類による神隠し伝説が有名である。
テレビ番組『マジかよ』の企画で神隠しの調査を行った際、私も不思議な体験をした事がある。
妖怪の隠れ里と呼ばれる森。
我々調査員は2チームに分かれ別の方向から侵入、森の中央辺りで合流する手筈になっていた。
私達のチームが先に合流地点に到達した為、調査をしつつもうひとつのチームを待った。
しかし待てど暮らせど彼らは一向に現れない。電話もつながらない。
仕方がないので私達は一度森を出ようということになったのだが・・・
どういうわけか森から出られない。
さらに不思議なことに、かなりの時間が経っているはずなのだが、夜にならない。
時間の感覚を失い「遭難したか」と諦めかけたその時、急に視界が開け、私達はなんとか森を抜け出した。
その後、別チームの彼らとも連絡を取ることができた。
話を聞いてみると、なんと彼らも私達と全く同じ体験をしたという。
幸運なことに全員無事生還することができたが、狐につままれたような、狸に化かされたような、何とも不思議な出来事であった。
神隠しというような摩訶不思議な現象には、やはり妖怪が一枚噛んでいるのかもしれない。
記者 牧田龍彦