
川獺 [出現地] 各地
川獺(かわうそ)は本来イタチ科の哺乳類だが、かつては狸や狐と同じく化けて人を騙す妖怪の類であると信じられていた。
美女に化けては寄って来る男を食い殺す、生首に化けてわざと漁の網に掛かって人を驚かす、などなかなかパンチの効いたホラーな伝説が残っている。
明治の頃までは広く日本各地に棲息していたとされるニホンカワウソは、乱獲や土地開発によってその数が激減、現在では絶滅種に指定されている。(愛媛県のみ絶滅危惧種)
同じ日本に暮らす生き物としては非常に残念ではあるが、こと妖怪による被害という点においては心配事がひとつ減ったと言えなくもない。
だが最近、こんなUMAが話題になっているのを皆様はご存知だろうか。
人間の子供の顔をした四足歩行生物。
サイズ感としては子牛ぐらいの大きさであったらしい。
顔が人間で体が牛というと、半人半牛の妖怪件(くだん)がまず思い出される。
しかし件は牛の腹から生まれた直後、必ず当たるという予言をすると数日で死んでしまうと言われている。
ならばここはひとつの可能性として、この謎の生物は人間に化けた川獺であるとは考えられないだろうか。
宮城県に残る伝説によると、伊達政宗が妖怪大入道を退治したところ、その正体は子牛ほどもある大きな川獺であったという。
また石川県には、川獺はよく子供に化けたという伝説も残っている。
子供の顔に四足歩行の体・・・
もし貴方がそんな生物に遭遇してしまった時の為に、古来より伝わる「人間と川獺の見分け方」を記しておく。
『川獺と思しき怪しい輩に出会ったら、まず「誰じゃ」と尋ねる。
人ならば「オラや」と答えるが、川獺は「アラヤ」と答える。
さらに「どこの者じゃ」と尋ねると、「カワイ」などと意味不明な事を言う。』
こうなった場合、恐らくそいつは川獺だ。
と同時に絶滅したと思われていた生物が生存していたという喜ばしい瞬間でもある。
自力でどうにかしようなどと思わずに、まずは冷静に写真に収め、自治体あるいは警察に連絡して捕獲・保護してもらおう。
なお川獺の妖術を見た者は精魂を吸われたように元気がなくなるそうなので、栄養ドリンクなどは常に用意しておきたい。
のかもしれない。
記者 牧田龍彦