No.002 井の頭公園 バラバラ殺人事件

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【事件概要】
1994年の4月23日午前

春になれば池を縁取るように咲く、
ソメイヨシノの桜が美しく、
お花見スポットとして賑やかになる
都内でも有名な公園の1つ、
井の頭恩賜公園

そんな桜も散り、
新緑の葉を育たせている
最中の出来事である。

公園内に設置されている
ゴミ箱のポリ袋に、
人間の足首が捨てられているのを
清掃員の女性が発見した。

駆けつけた警察官らが
公園一帯を捜索すると、
計27個に切断された手足、
胴体の一部が袋に入って
7箇所のゴミ箱から発見された。
袋は小さい穴のある
水切り用の黒い袋と
半透明の袋の二重になっており、
漁師らが使う特殊な方法で
きつめに結ばれていた。


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手足の指紋はほぼ全て削り取られていたが、
わずかに残っていた指紋とDNAから、
被害者は公園の近くに住む
一級建築士の男性(当時35歳)と判明した。
死因は不明。
肋骨の筋肉繊維に
わずかな生前出血の跡があった。

この事件について、
目撃証言などから怨恨説事故遭遇説
遺体の状態が複数人による
組織的な犯行
異常性を匂わすことから
宗教団体関与説など
様々な説が錯綜していた。
しかし、被害者の交友関係からは
全く犯人像が浮かばず、
また、犯人に結びつく物証や情報が乏しく、
2009年4月23日
犯人の特定に至ることなく
公訴時効成立を迎えた。
犯人の動機など不明な部分が多い事件である。

【遺体の特徴】
関節や臓器などを無視して長さや太さも揃えられ切断されていた。

電動ノコギリのようなもので20cm間隔に切断されていた。(※これは、公園内のゴミ箱の投入口サイズである縦20cm、横30cmにほぼ合っていた。) 

血液が一滴残らず完全に抜き取られていた。(※この作業を行うには、一般家庭の設備では給排水が追いつかないほどの大量の水と医学的知識が必要である。)

手足の指紋はほぼ全て削り取られていた。

遺体の切断方法は少なくとも3パターンあり、
複数犯説の根拠の一つになっている。
発見された遺体は体全体の3分の1ほどで、
被害者の頭部
胴体の大部分は現在も見つかっていない。
残りの遺体は、
事件発覚前日の22日に
公園のゴミ箱に捨てられ、
ゴミ収集車に運ばれ
処分されたとする説もある。

【被害者の足取り•目撃情報】
22日午前0時過ぎ
被害者によく似た男性が
被害者の最寄り駅で
事件現場近くのJR吉祥寺駅デパート脇
2人の若い男に殴られていた
という証言があり、
被害者の遺体が発見された
当日の23日未明(午前4時頃)には
公園内をポリ袋を持って歩く
不審な2人組の男が目撃されている。
2人組の男はともに30代とみられる。

また、失踪したと思われる
時間帯(22日未明)に、
人と車が激突するような
物音がしたという情報もあり、
交通事故にあった被害者の死体を
隠すためにバラバラにしたという見方もある。


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【備考】
時効から6年後、
新たな証言が得られた。
その証言によると、
この事件は「人違い殺人事件」であると
当時吉祥寺に倉庫を借りており、
この地域の露天商の元締め的存在で、
被害者と顔も背格好も
年齢も瓜二つの男性が、
縄張り争いでたびたびトラブル
となっていた外国人露店商を
締め出そうとした。
ところが、その外国人露天商だと
思っていた人物は
実は某国の特務機関に
属する工作員であり、
彼らの襲撃予定日が漏洩してしまい、
結果的にその男性は逆に彼らに監視され、
命を狙われるようになってしまった。
そうして都内にある
数箇所のビジネスホテル
を転々とする逃亡生活の最中に
この事件が起こったといい、
事件発生時も都内の
ビジネスホテルに潜伏していた。
被害者の自宅とAの倉庫は近くにあり、
A自身、被害者の知人に
被害者と間違えられることが
たびたびあり、
その間違いを指摘した後も
「こんなにそっくりな人がいるなんて……」
と驚かれたという。
つまり、
被害者はAと間違えられて
外国人工作員に
殺害されたかもしれないということである

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この様に、
謎が多く、
その為数々の憶測、
考察が浮かび上がっている。
しかし、
どの様な事実であろうが、
人の命が、
この様な無残な形で失われる事は、
大変許しがたい事件であることは、
誰もが思うことであろう。


出典

・心事の軌跡(1995年)
・あの事件を追いかけて (2010年)


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記者:岡田怜志