あれからはふざけなくなった。
好きだなんてお互い言わなくなった。
ただ毎日のメールは続いた。
先輩は受験で学校でもあまり会えなくなった。
ふざけてたときは学校で見かけたらお互いに笑ってみたり、手紙を交換したり、学校で会えるのが嬉しくてたまらなかった。
メールもガラッと変わってお互いの関係が自分でも分からなくなってた。
自分からやめようと言った関係を続けていれば良かったと後悔した。
先輩は県内でも難関の高校に受かった。
とにかくそばに居たかった。
メールでの穴を埋めたかった。
だから同じ高校を受けようって思ったんだ。
だから必死に勉強した。
先輩にとって自分がただの後輩だとしても。
先輩が早く受かってよって言うから。
なのにいつしか迷いが出てた。
このままじゃまたこの感情から逃れられない。
もっと愛してしまうんじゃないか。
忘れられない。
もう勉強なんてどうでもよくなってしまった。
結局は落ちて良かったとその時は自分を納得させた。
違う高校で先輩を忘れようと。
高校でも中学と同じ部活に入った。
先輩も違う高校で同じ部活に入っていたけど。
違う高校に通っていてもずっとメールは続いてた。
たくさんケンカもした。
自分の感情をぶつけすぎて。
先輩が応えられないのは分かっていたのに。
これじゃ何も変わらないと、初めて先輩へのメールを断つと決めた。
アドレスも消して、ずっとメールをせず、ただ部活に没頭した。
忘れようと必死にもがいた。
教室から見える中庭にある木に願掛けをして。
この木の葉っぱが散っていくようにきっと忘れられる。
きっと。
先輩とメールを始めてから3年、やっと抜け出せたと思っていた。
そんなとき、部活の顧問が言った練習試合の相手。
それは忘れようとした先輩の高校だった。
試合まで1カ月足らず。
どん底に落とされた。
今まで練習試合なんてしたことない相手と、どうしてこのタイミングなのか。
誰を恨んでいいのか、誰にぶつければいいのか分からなかった。
忘れちゃいけないのか?
こんなにも苦しくて辛いのに。
忘れさせてくれないのか?
神様がいるなら殺してやろうと思った。
こんな酷い仕打ちがあるのかと。