(noteより)
……数年前まで、私は父と母が歩けなくなることなど想像もしていなかった。
ふたりは月に一度は登山をするくらい元気で健脚だった。それは趣味や健康のためではなく、信仰ゆえに山に登っていたのだが、結果的にそれが趣味のようなものとなり、健康にもおおいに役立っていたと思う。
だから私は、この人たちは死ぬ直前まで山登りをしているんだろうな、とすら思っていた。
浅はかだった。
とにもかくにも、人は忘れっぽい生き物だ。
そして、なかでも私たちがいちばん忘れているのは、「人はいつか死ぬ」ということ。
人生には限りがあることを忘れている。
知ってはいるけれど、忘れているのである。
親も自分もいつかは死ぬ。そして、一般的な寿命をまっとうできるとするならば、誰もが確実に、年々老いる。
つまり、命が尽きる前に、一定期間「歩けない人生」を送ることになる可能性は、誰にでもあるということだ。
そんな簡単なことを忘れてしまうくらい、私たちの頭のなかは常に別のことでいっぱいなようだ。だから、気がつくと身体のことが疎かになっていたりする。
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