こんにちは!フレンドハウスです。
材料が大きく曲がるためには、組織がずれなければなりません。
ちょうど、お札のような薄い紙を束ねて曲げるとき、
それぞれの紙がずれることを想像してください。
木材中には、水酸基と呼ばれる無数の手があります。
乾燥状態では、水酸基同士がしっかり手をつないでいます。
この結合を水素結合と呼びますが、
この状態では力を加えてもなかなかずれようとしません。
ところが、この水酸基は水酸基同士より水との方が仲が良いため、
水が近くにくると水酸基同士は手を離し、水と手をつなぎます。
水素結合が切れ、木材の組織間が広がるため、
組織が相互にずれやすくなり、外力に応じて変形します。
また、これに熱を加えると、
水酸基も水分子も激しく運動するようになるので、
さらにずれやすくなるわけです。
但し、実際の木材組織は三次元の網目構造をしていますので、
流れてしまう(流動)ことはなく、弾性的に変形する(ずれる)だけです。
組織がずれたところで水がなくなると、水酸基は一人でいられなくなり、
とりあえず近くの水酸基と手をつなぎます。
この状態がドライングセットです。
再び水分子が近くに来ますと、
水酸基は水と手をつなごうとして互いに手を離します。
このとき、変形によって溜まっていた弾性エネルギー(バネの縮み)によって、
元の形状に戻ります。