知らない間に雨が降り、知らない間にやんでいた。
そのせいか、帰りは凄い霧が出ていた。
バイクで帰りながら、ついつい思い出してしまった。
それは今でも反省してるからかもしれない。
高校1年の今頃、得意気にバイクを乗り回していた。
時刻はすっかり丑三つ時の頃、近道するために墓場を通り抜けた。
今では改装されてキレイになっているけど、当時はゲゲゲの鬼太郎の昔のオープニングのように、いかにも墓場していた。
近眼のくせにメガネをかけずに運転していた。
そんな時間、墓場なんかに誰もいないって思ってたから、横切るモノに反応した。
怖がりのくせに、何故ああいう行為に出たかは分からない。
おそらく、お化けを退治してやろうと思ったんだろう。
近くにあった、廃材の角材を手にそれに襲い掛かった。
当然お化けではなく、お店帰りの、年のころなら30前後の女性だった。
その女性は、僕にお金を出すから助けてと必死に、本当に必死だった。
僕も必死に、お化けと間違えたんですって、必死に詫びた。
事情を理解した女性はしばらくして落ち着いたので、僕は『この辺は変なヤツが多いんで夜は気をつけてくださいね』と言い、女性は『ありがとう、気をつけて帰るから』と言った。
1番変なヤツは、少なくとも僕だったんだろうな。
最後にその女性に『お姉さん、マライヒに似てますね』って言ったらキョトンとした顔をしていた。
マライヒを知らないんだ・・・・って思ったけど、よく考えればマライヒは男だった。
僕はどこまでも無礼な人間だった。
パタリロは現在も連載され単行本も発売されている。
まさかあの頃、この年齢になって自分がパタリロを読んでいるとは思わなかった。
霧のロンドンエアポートは何巻だったかは覚えてないけど、バンコランを呼び出す緊急の合図だったと思う。