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Ko Yan

1 Yada
2 Nou Pas Bouger
3 Ko-Yan
4 Fe-So
5 Primpin
6 Tenin
7 Sabou


88年発表(確か)。アフリカ大陸西部の国、マリ出身のサリフ・ケイタのアイランドレーベル2作目。

マリも今色々あるようですね…。サリフ・ケイタはそんなマリの王族出身で、グリオという伝統的な職業音楽家の身分認識が、社会的に低く位置付けられているというアフリカ社会において、王族の人間が音楽をやるという事に対する周囲の偏見と軋轢や、かつアルビノ(色素欠乏とやらで黒系人種でありながら肌が白い体質=個人差別と結実していく)だという大変な宿命を背負って音楽をやっている人のようです。

この人も80~90年年代にワールドミュージックに入れ込んでいた中村とうようによって、日本でもかなり話題になったようですが、そうした“物語性”を端緒とした注目度数は実はそれほどではなかったのではないかと思います。

当時の来日時のインタビュー記事などを読むと、出自ゆえなのか非常に機転の利く頭の良い人であることも感じられますが、そういった事々を飛び越えて、なにより歌声そのものが兎に角大変な凄まじい声をしています。3や4での圧倒的な声の響きは今に至っても他の何処にも聴くことの出来ないものだと思う。

この人の音楽は女性コーラスも重大な構成要素ですが、そんな彼の声との絡みが織り成す絶妙繊細かつ、しかし能動的である強い迫力は“歌の力”というものが何であるのか?、という事を考えている方には是非聴いて頂きたいものです。