男が一人砂浜を歩いていると突然、荘厳な声が響いた。
「掘るが良い・・・」
慌てて辺りを見回したが、人影は見当たらない。
男は気のせいか?と安心すると再び歩きだした。
また、荘厳な声が響いてきた。
「さあ、掘るのだ・・・」
男は半信半疑で砂を掘ると、中から鍵のかかった小さな棺が出てきた。
すると、またもや荘厳な声が響いた。
「開けるのだ・・・」
男はそばにあった石で鍵を壊すと、中には大量の金貨が詰まっていた。
小躍りして喜ぶ男に、またも荘厳な声が響いた。
「カジノに行くのだ。」
もうすっかり信じた男は、棺を持って2、3マイル先のカジノへ歩き出した。
やがてカジノに着くと、荘厳な声が響いてきた。
「ルーレットに行くのだ。」
「…27。」
男は大きく頷くと、山のようなチップを27番に置いた。
周りにはたくさんの野次馬が集まり、驚愕の表情でそれを見守っていた。
ピーンと張り詰めた空気の中、ディーラーはルーレットにボールを投げ入れた。
ボールは、26番に止まった!!
と同時に、再びあの荘厳な声が響いた…
ちぇっ!!