分娩室
看護婦は分娩室を出た。
男が一人、廊下で頭をかかえている
看護婦は男に声をかけた。
「陣痛は順調にきていますよ。
大丈夫です。そろそろお入りになりませんか?」
「いやだ!あの苦しそうな声が俺は耐えられないんだ!!
1人にしておいてくれ!」
暫くして、看護婦はまた分娩室から出て男に言った。
「無事終わりそうですよ。大丈夫ですってば。
そろそろお入りになりませんか?」
「いやだ!あの苦しそうな声が俺は耐えられないんだ!!
1人にしておいてくれ!!
「…でも」
看護婦は言った。
「先生、あなたの担当ですよ!」