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取材班は,チベット奥地の小さな村にやってきた。
ここに,今年143歳になる老人がいるというのだ。

そのしわくちゃで小さな老人は,
気丈にも椅子に座ってインタビューを受けると主張した。

「おじいさん。長生きの秘訣とは何でしょうか?」

「そうじゃな…」

老人は閉じていた目を大きく見開いた。

「わしは酒や煙草は大嫌いですじゃ。
何より,女性に近づかんようにしておるのじゃ・・・」

その時,ドアの向こうで悲鳴があがった。
取材班がドアを開けると,
アシスタントの女の子がすごい勢いで逃げまどっていた!
そのすぐ後ろを猿じみた老人が追いかけ回していた。
その猿じみた老人は、ひどい臭いのする煙草を銜え,
片手に持ったウィスキーの瓶を振り回しながら,
「ヒヒヒッ!」 と取材班を嘲るように笑うや,
女の子を追って,外へ駆け出していってしまった。

「あ、あれは何ですか??」と呆然としたリポーター。

「すみませんなぁ」老人は僅かに震える声で言った。



「わしの親父でしてな。いつもあんな調子でしてな…」



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