$neo's scrapbook





私は死体の隠し場所に頭を悩ませていた。
あと三十分もすれば人がここに来ることになっていた。
それまでにこの問題を解決しなければなるまい。

タンスやクローゼット?残念ながらそんなものは存在しない。
むしろ、そんなものがあるのならこの私が逃げ込みたい程だ。
だが、そんな事をすれば練りに練って生み出した
私のアリバイトリックが全て無駄になってしまう。
外に運び出す時間はない。
けれども、死体を部屋から消し去ってしまわなければならない。

 ドン・ドン・ドン

扉が叩かれた。
ビクリと肩を揺らし私は玄関を振り返る。
予想よりも早い。
だが、彼女に限って言えば
それは決して珍しいことではなかった…
「私です。居ないんですかー」
彼女の明るくほがらかな声が、
ヒステリー女の金切り声に変わることを私は知っている。
そして、地獄よりも苦しい追い込みを味あわされるのだ。
だが、それももう仕方ない。タイムリミットはとうに過ぎていた。
私は腹を括ると大声で叫んだ。





「原稿ならまだ出来てないよ!」






neo's blog