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“模範囚”


ある刑務所に、行いがとてもよい三人の模範囚がいた。

刑務所では彼らへの褒美として、望みを一つずつ叶えてやることにした。

すると一人目は女性を望み、二人目は酒を望み、三人目はタバコを望んだ。

刑務所は早速それぞれの望みを叶えてやった。

女性を望んだ囚人は、10年ぶりのあまりの興奮に、

あえなく心臓発作で死亡してしまった。

酒を望んだ囚人は、15年ぶりの酒の感激を急ぐあまり、

喉がつまって呼吸困難で死んだ。

ところがタバコを望んだ囚人だけはその後もずっと元気だった。

あるとき健康診断があって、彼は言われた。

「あんた体は少しも問題ないよ。タバコを思い通り吸ってたにしては不思議なもんだ。」

囚人は答えた。



「ああ…。あいつらライターをくれなかったんだ。」




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