善い行い
小心者でさえないマークは死亡して、
天国の門の前で天国にふさわしい人間かどうかの審査を受けている。
天使はマークの経歴を調べながら、困り果てて言いました。
「あなたは地獄へ行く程の悪人ではありませんが、
天国に入るほどの善人でもありません。」
「生きているときに何か善い行いをしましたか?」
ジョンは答えました。
「一つだけあります。」
天使は身を乗り出すようにして聞きました。
「ほぅ!?それはどのようなことですか?」
ジョンは続けます。
「私が車を運転していると、
道端で一人の女性がチンピラたちに絡まれていたのです。」
天使は続きを促します。
「ほうほう、それで?」
ジョンはさらに続けます。
「私はとても恐かったのですが、
よく見るとその女性は とびきりの美人でした。」
「私は車を停めて、勇気を出してチンピラたちに言ってやったのです。」
天使が尋ねました。
「それでなんと言ったのですか?」
ジョンは得意そうに言いました。
「『おい、お前ら!その女性から手を放せ!
さもないとひどい目にあわせるぞ!』とね。」
天使は興味深々です。
「なるほど、それは勇気のある行動をしましたね。」
「けど私たちの記録にその話は乗っていませんが、
それはいつ頃の話ですか?」
天使の質問にジョンは胸を張って答えました。
「いやぁ、つい今しがたの話です。」