“勝手に飲むから…”
男は背中を丸めて、目の前のカクテルをただ眺めながら
バーのカウンターにじっと座っていました。
すると、暴れんぼうで有名な大男がやってきて、
男の目の前の飲み物を奪い取るや、グッと飲み干してしまったのです。
それを見て男は泣き出してしまいました。
さすがに気まずい思いをした大男は
「おい!何を泣いてやがんだ。大の男が情けねぇ。」
男は泣きながら語り始めました。
「ついに会社がつぶれちまったんだ。」
「それを知った女房は、全財産を持ち出して男と家出しちまった。」
男はさらに続けます…
「それで、このバーに来て死のうと考えていたら、
毒を入れたカクテルをあんたが飲んじまったんだよ。」