Last Tango In Paris - Gotan Project
5月23日の記事
『今日のジョーク / 弁護士とは』で、ふと思い出したんですが
マックでコーヒーをこぼした客が訴訟を起こして勝訴したという裁判
これはもう有名な事件ですからご存知だと思います。
▼マクドナルドとコーヒー
アメリカの変な裁判として有名な「マクドナルドのコーヒー訴訟」。
最初にこの訴訟の話を聞いた時、厚かましい客もいるんだな…
流石にアメリカ人の訴訟はスゴイ!!!
マックも気の毒に…位にしか思ってかったんですが
調べてみたら少し様子が違いますね…
大雑把に説明すると、アメリカのドライブスルーで
マクドナルドのコーヒーを購入した
(当時)79歳のステラという女性が、
コーヒーを膝にこぼして火傷を負ってしまい、
それを「コーヒーが熱すぎたから」と訴えたのが始まりです。
裁判は紆余曲折がありましたが、陪審員はマクドナルドに対して約300万ドルもの賠償金の支払いを命じました。
ここまではアメリカが訴訟大国であることを
世に知らしめる事例として有名なわけですが、
訴訟大国を強調したいために、一般に語られてる話は
実際の裁判内容と少し変質してしまいます。
まず、この火傷は8日間の入院をして、傷の面を切除し皮膚移植をしたうえで、
傷や運動障害を回復するまでに2年間の治療が必要だったほど酷いものだったということ。
※「火傷」の画像は勿論ありますが余りに酷いため掲載していません。
当時のマクドナルドのコーヒーは通常よりもかなり熱く、80度以上のもので
この熱さのお湯だと2~7秒で3度の火傷(半永久的に外観的な損傷が残る重大な火傷)を負ってしまうというデータがあります。
さらに、マクドナルドは700件の同様のクレームと、従業員の間でも火傷をしたという事例があるにも関わらず、特に対策も立てずに放置していました。
また、この裁判の賠償金はかなりの高額(当時の金額で3億円)になり、それはアメリカの司法判断がおかしいわけではなく、上記のように火傷が酷かったのに加え、マクドナルド側が悪質だと判断されたというのが大きな理由として挙げられるようです。
そして賠償金にしても、火傷自体の賠償金は20万ドルで、そのうち20%は過失相殺ということで、実際は16万ドルだったということも語られることはほとんどないでしょう。
何故なら、金額が高ければ高いほどアメリカの訴訟社会が異常だと主張が際立つわけですから…