少しみだけすぼらしい男が
やはり少しさびれたレストランに入ってきた。
そしてウェイターに言った。
「この店には、ちょっと腐りかけた魚はあるかね?」
「はっ? はい、腐りかけた魚でございますか?
ご、ご用意できるかと…」
「それから、水っぽいジャガイモは?」
「それもなんとか…」
「結構。それと一緒にすっぱくなったワイン、
カチカチになった先週のパンも付けてくれたまえ」
「承知いたしました」
「それから… もしよかったら…
それらをテーブルに並べた後で、
ちょっとそこに座ってくれないか?
そして何でもいいからガミガミ文句をつけてくれ。
そうすれば、私は自分の家で食事をしている気分になるんだ」