結婚はしてもしなくても後悔するものである。
by カフカ (チェコ・作家)

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むかしむかし、若くてハンサムな王子がいました。

しかしふとしたことで魔女の怒りをかい、

王子は呪いをかけられてしまったのです。

その呪いとは、1年に1文字しか話せないというものでした。

もし1文字も話さない年があれば、翌年2文字話せます。

手紙や身振りも許されなかったので、相手に意志を伝えようと思ったら、

何年もかけて文字数をためるしかありません。

ある日、王子は散歩の途中で美しい姫に出会いました。

金色の髪、ルビー色のくちびる、サファイア色の瞳。

王子は一目で恋に落ちました。

本当はすぐにでも『あいしてる』と言いたかったのですが、

5文字しゃべるために、その後の5年間ひとこともしゃべらず待ちました。
           

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やっと5年たった日に『けっこんして』も言わなくてはと思い、

更に5年待ちました。

そうして初めての出会いから10年後、ついに王子はプロポーズ!!

「愛してる! 結婚して!」

王子の言葉に、姫は金色の髪をかき上げ、サファイア色の瞳で王子をみつめ、

ルビー色のくちびるを開いて答えました・・・


「え? なに?」

「・・・・・・・」