好きな真ん中から 始めてしまっています、 妙法蓮華経観世音菩薩普門品 第二十五偈 続いては 読誦されることの多い箇所、 はじめから見ていきましょう。

 

 

①  世尊妙相具 我今重問彼 仏子何因縁 名為観世音

②  具足妙相尊 偈答無尽意 汝聴観音行 善応諸方所

③  弘誓深如海 歴劫不思議 侍多千億仏 発大清浄願

④  我為汝略説 聞名及見身 心念不空過 能滅諸有苦 

 

仮使~  とつながります

 

(書き下し文)

①  世尊よ、妙相を具えるたまえるものよ、我は今 重ねて彼を問いたてまつる。 仏子は何の因縁にて、 名づけて観世音と為すや

②  妙相を具したまえる尊は 偈をもって無尽意に答えたもう 汝よ。観音の行の善く諸の方所に応ずるを聞け

③  弘誓の深きこと海の如く 劫を歴るとも思議しえざるほど 多千億の仏に侍えて 大清浄の願を発せり

④  われ汝がために略して説かん 名を聞き及び身を見て 心に念じて空しく過ごさざれば 能く諸有苦を滅せん

 

(難読部)

① そなえ  

② 無尽意(菩薩)  もろもろの  ほうしょ 

③ ぐぜい  こう  ふる  つかえて  おこせ

 

 

〈現代語訳)

① 世尊よ、すばらしい妙なる姿をそなえていらっしゃる方よ。 われは今、重ねて彼について問います。仏子である観世音菩薩は、どういうわけで観世音と名付けられているのですか。

② 仏は偈をもって答えました。 観音の行は、よく 諸々の方角、場所に応じてはたらきを示すということを聴きなさい。

③ 大いなる誓いの深いことは海の如くである。長い時期を経ても思議しえないほど大勢の仏に仕えて、そして偉大な清らかな願をおこしました。

④ 私はそなたのために略して説くことにしましょう。観世音の御名を聞き、またその姿を見て心に念じて空しく過ごすことがないならば、あらゆる苦しみを滅ぼすことができるでしょう。

 

 

 この漢訳は 鳩摩羅什(くまらじゅう)の訳だそうです。 世界史を履修された方は聞いてるはずですが・・  特徴的なお名前で印象に残ってませんか?  西域僧です。 今の新疆ウイグル自治区にあった亀茲国(今のクチャ付近) 出身。   仏典漢訳者として名高い 玄奘さんに比べてドラマとか 漫画で姿を見たことがないので、 ちょいとWIKIからお借りしてみましょう。

 

  

  鳩摩羅什の訳は 意訳も多く、創作に近い箇所もあるという指摘もありますが、 この部分、中村博士はよく意をとらえていると 述べておられます。

 

 

 

  今日の❓観音さん

 

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 二十九番(土佐)国分寺 御本尊 千手観音。  手は42本が標準的だそうです。

おん ばざら たらま きりく

 

 

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 三十一番竹林寺 の馬頭観音    時に 女性のごとく造形される観音さんの中で 忿怒の表情であることが多い。    おん あみりとう うんぱった そわか