私の両親はとにかく太っている人を蔑んでいる。母親は昔から「太れないのよね」と言い瘦せ型、低血圧だった。父親は一時期ぽっちゃりしていたが、母の低塩分・低カロリーのメニューにより今は太ってはいない。子供の頃からそんな感じだったので成長期にも関わらず精進料理のような薄味の味噌汁、魚食がメインで低カロリー食。そりゃ時々は肉料理も出たけど、野菜たっぷりで肉は少々。夜にはお腹空いちゃう感じでした。なので私も兄も痩せていました。母と話すと太っている人を憎んでいるかのように

 

「〇〇さんって太りすぎよね~」

 

という話をしたり、私の従妹が成長し太ってくると

 

「太ってると嫁の貰い手がな~」

 

などと夫婦で話していました。

 

こんな感じなので、私は大人になっても親の攻撃の対象になりたくなくて太るという事が怖かったんです。成人しお酒を飲む機会が増えてきてもお酒と一緒にカロリー高い食べ物を食べると太ってしまうと思い、食べ物は食べずにお酒だけど飲むという体に悪い飲み方をしていました。

 

兄は私とは反対で、大学を出てから実家を出て会社の寮に入ってから、両親の呪縛から離れ、食に走りました。元々食にまつわる漫画が大好きで「美味しんぼ」や「クッキングパパ」「ミスター味っ子」などを読んでいて、とにかく美味しい物を追求するようになりました。その結果20㎏以上も太りました。殆ど実家にも帰ってこなかったし、私も実家には住んではいたけど家に居たくなくてほぼ外に出ていたので全然会わなかったんです。実家の兄の部屋の机の上に写真があったので覗いたんです。するとそこには知らない人がいて、母に「この人誰?」と聞いたら、「兄だよ」と言われて本当にびっくりしました。私の記憶の中ではひょろひょろの兄が、太っていたので信じられませんでした。

 

案の定母は陰で兄の悪口を言っていました。

 

「あんなに太っちゃって。私がきちんとカロリーコントロールしてあげていたのに。醜い」

 

と。

こんな話を聞かされると何が何でも自分が太るわけにはいかないなと思い込んでしまったんです。親に認めて貰いたいという気持ちがあったのかもしれません。

 

兄は結婚後も食べまくりでした。兄の家の冷蔵庫には鶏のぼんじり1㎏とかハイカロリーな食べ物がたくさん入っていたと、当時兄の子供との留守番を頼まれた母が言っていました。兄のお嫁さんも少々ぽっちゃりしていた為母はまた陰で兄夫婦の悪口を言っていました。

 

そんな生活を続けていたら兄は若いうちから高血圧になってしまったそうです。痩せないととお医者さんに言われたのか、一時期は電車の一駅前に降りて歩いたり、食べ物気を付けたりしてちょっと痩せたんですが、「やる気になればいつでも痩せられる」と思ってしまったのか、リバウンドをする→またがんばって痩せる→太るというのを繰り返していました。

 

母はとにかく兄の体調を心配していました。親だし子供の体調は心配するよね。と思っていたら、びっくりする発言をしたんです。

 

 

実母

「もうあの子本当に体調心配よ。あんなに太っちゃって。何かあったらどうするのかしら」

 

 

「もしあの子に何かあったら私達があの子の子供達面倒見なきゃいけないでしょ?こっちが大変になるじゃない」

 

 

え?なんで兄に何かあったら兄の子供達の面倒を両親が見るの?

 

 

「何かあったら子供達よろしくって言われたの?」

 

 

と聞くと

 

 

実母

「そんな事言われてないわよ。でも実際そうなったら私達が面倒見ることになるでしょ?」

 

 

意味が分かりません。

 

結局何事も自分事。自分達に面倒な事がふりかからないかをいつも恐れている。

純粋に兄の体調を心配しているのではなく、その先の自分達が大変になる事しか心配していないのだ。

 

母は年をとり、更年期を過ぎたら腹周りに肉がついてきて、今ではぽっちゃりさんだ。それは年齢によるものなのでしょうがないと思う。それでも彼らはまだ言っている。太っている人の悪口を。自分の事は棚に上げて。