「かなりや」 西條八十
唄を忘れた金糸雀(かなりや)は、後(うしろ)の山に棄てましょか
いえ、いえ、それはなりませぬ
唄を忘れた金糸雀は、背戸(せど)の小藪に埋(い)けましょか
いえ、いえ、それはなりませぬ
唄を忘れた金糸雀は、柳の鞭でぶちましょか
いえ、いえそれはかわいそう
唄を忘れた金糸雀は
象牙の船に、銀の櫂(かい)
月夜の海に浮べれば
忘れた唄をおもいだす
-「赤い鳥」大7.11
*幼心にも残酷なうただなあと思った記憶があります。
否定する声のやさしさと哀しみ。
最後の一節に描かれる光景のしんとした美しさと。。。
私は象牙の舟の上のかなりやの気持ちを思うとなんだか苦しくなってしまうのです。
見てはいけないものを見てしまったときように、今も強くこの唄の世界に魅かれます。
かなりやは唄をおもいだしたかしら?
