幼い子どもの桃のような頬に触れてみる
世界中の子どもの頬のひとつひとつに触れるように
いつかテレビで見た砂漠が 大峡谷が 海辺の町が
少数民族の暮らしが 裸で目とお腹ばかり大きな子どもたちが
芸術品のような街並が ビジネス街が 故郷の水田が
走馬灯のように瞼の裏に映し出されては
打ち上げ花火の残していく火の粉のように
きらきら きらきら
ちらちら ちらちら
瞬きながら 消えていく
私はひとりの無力な人間で
でも たったひとりの私で
三十年前は子どもだった
虹を見つけたら嬉しかった
香り付きのポケットティッシュが欲しかった
きっと 桃のような頬をしていた
