★「職業に貴賎なし」を日本人のほとんど全員が誤解しているみたいだ | 一般公開された記事のきりぬき、保管。

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職業に貴賎なし、という言葉があります。

よく、これで平民同士で議論になりますよね。

 

Aさん、「私、デリヘル嬢になろうと思うの。職業に貴賎なしっていうじゃん。」

Bさん、「いやいや、職業に貴賎はあるよ。何、きれいごとを言っているんだよ。あんな言葉、世間知らずが言った言葉に決まっているじゃん」

 

AとBは、双方とも「職業に貴賎なし」を「職業には貴いも賤しいもない」と理解しています。

で、Aは賛同、Bは反対という立場なんですね。

 

が、AとBともに「職業に貴賎なし」の意味を間違って理解しています。かわいそうに。

まあ、文言がかなり略されているので、そう理解しても仕方ないです。

 

そして、日本人のほとんど全員がこのAかBではないでしょうか。

 

正しい意味は、

「職業によって、人格に貴賎はない」です。

もっと言うと、

「職業には貴賤はあるが、それをする人間には貴賤はなく平等である」という意味です。

 

わかりやすく言うと、風俗嬢でも選挙では一票の投票権を持っている、ということです。

 

この言葉は、江戸時代の学者、石田梅岩が言ったものですが、

当時、職業は世襲制だったのですね。

なので、職業は本人の意思でどうこうできるものではなかったのです。

石田は「自分の意志ではどうにもならない職業によって、その人の貴賤が決まったのではたまったものではない。人は皆、同じ価値を持つ人間なんだ。」ということを主張したのです。

これが、「職業に貴賎なし」になったのです。

 

どうです、いかに現代人が都合よく解釈しているか理解できましたか。