令和4年度、第2次補正予算案の助成金 | 新労社 おりおりの記

令和4年度、第2次補正予算案の助成金

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令和4年度、第2次補正予算案、閣議決定しました。4.8兆円ですから、一般の年度予算に比べると20分の1程度です。しかし例えば雇調金以外の助成金はほとんどなかった令和3年の補正予算などと比べて、労務関係の「改革」を前倒しして行おうという姿勢が見えるのです。「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」パッケージという形で、政策化されます。

 

 

どのような形で実行されるのかというと・・・

 

人材活性化・・・キャリア形成の支援。具体的には企業内の教育訓練でアタマよくなる。

労働市場強化・・・成長産業への労働移動への推進。人手不足の解消。

多様な働き方の選択・・・フリーランス、請負のなるべくの保護。

 

これで、最終目標は賃上げができるような労働環境をつくろうというのです。そのためにはアタマがよくなるための訓練や、生産性向上のためのIT化をさせようというのです。

 

賃上げには業務改善助成金やその他の助成金にオプションが付いています。人材活性化にはキャリアアップ助成金や人開金、労働移動には労働移動支援助成金や、産業雇用安定助成金が付いています。助成金は法制化していないけれど、当局の望む方向に労務管理・雇用環境を整えた会社に上げようというモノですから、ポスト・コロナに向けた当局の考えと、会社の経営方針が一致すれば、もらっていいのです。

 

会社を「そういう方向」に変えていいかどうか労使ともども考えていただければと思います。この仕組みの一部分だけ取り入れる、ということでもいいのです。当局にとって前倒ししなくてはならない「そういう方向」とは、助成金だけ拾ってみるといろいろあります。

 

 

• 業務改善助成金の拡充・・・設備投資による生産性向上したことによる賃上げ

 ⇒上限額のアップ、事業規模が大きくても可、対象経費の拡充。

• 働き方改革推進支援助成金の拡充・・・これも生産性向上を図るための設備投資

 ⇒3コースについて本来賃上げは要らないが、すれば加算がつく。

• キャリアアップ助成金(正社員化、賃金規定等改定コース)の拡充

 ⇒賃金アップすれば、教育訓練すれば加算額を付ける。

 

 

• 産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース:仮称)の創設・・・出向の助成金

 ⇒出向に当たって送り出す企業が訓練すれば助成金出ます。

• 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)(仮称)の創設

 ⇒企業内の新規事業立ち上げのために教育訓練を行った場合の助成金

 

 

• 労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)の見直し

 ⇒「労働移動してきた」ヒトを雇用した場合の助成金で前職より賃金アップすれば加算。

• 中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)の見直し・・・中途採用初めての会社。 

 ⇒45歳以上の中途採用については額を上げるが、前職より賃金上昇が要件。

• 特定求職者雇用開発助成金 (成長分野人材確保・育成コース)の対象事業主の追加

 ⇒成長分野への就職困難者(高齢者・障害者など)に教育訓練をして雇用すれば出ます。

• 産業保健関係助成金を活用した労働者の健康促進支援 

 ⇒商工会、同業組合を通じての医師・保健師による産業保健サービスに助成金を出す。

 

 

他に雇調金の特例解消小学校休業の助成金継続も含むのですが、この改正では賃金アップ、教育訓練という単語が目立ちます。こうして見ますと、当局は以下のような雇用環境を目指していることが分かります。

 

・採用は原則誰でも。年齢性別等に関係なく雇用。能力は教育して付けましょう。

・教育訓練は賃上げの動機に。訓練して能力が上がれば賃金アップしてもいいでしょ?

・賃金アップのための生産性向上は主としてIT化によって行う。

 

弊事務所はこのパッケージを「事業内職業能力開発計画」をスタートに提案しています。いくつも助成金があるうち、いくつも当局おススメの施策があるうち、一か所でもいいのです。助成金で新しい時代を先取りする意思が、果たしてどれくらい中小企業に(そして当の当局に)起こってくれるかどうか、楽しみな時代の流れです。