イタリア人独身女性ふたりだった。
こちらのアパートは語学学校が斡旋してくれたお家で
大きなお部屋が3部屋あるうち一部屋が私に提供された。
ふたりとも堅気の職業でそれぞれバリバリ働いており
家にいる時は各々の部屋で横になってテレビを見ているだけの生活。
イタリア語なんて話せない私は彼女達に
片言で何か伝えるにもいちいち辞書をひっぱり出して
ひとこと伝え終わるとドッと疲れている有様。
そんな生活の中で何より私を疲れさせたのは
洗濯機が目の前にあるのに
「洗濯機は使用禁止よ。」 というお約束の生活だったヽ(;´ω`)ノ
洗濯機を乱用されて電気代に響くのがイヤらしい。
学校でも半分意味不明の授業中
先生に質問されたら内心「ヒェ~ッ!!」で
ドギマギしながら答え終わったらドッと疲れ。
休み時間は英語でまくしたてられ銅像化。
家に帰ったら、だんだん山積みになっていく洗濯物を眺め
週末は近所にコインランドリーがないので
洗濯物の大袋を抱えて中心街まで行って
グルグル回る洗濯機の前で放心状態。
食事も皆バラバラの時間に食べ
またみんな自分の部屋に戻ってはテレビを眺めている。
イタリア人女性とのシェアはいたってシンプルな生活だった。
夏のように暑い日が続いていて
「太陽の光が入らないように昼間は雨戸を閉めておきなさい」
と言われて
その感覚が全然解らず困惑していると
イタリアの強烈な太陽光線で部屋の温度が上がるのを防ぐため
みんな昼間でも鎧戸を閉めておくらしい。
「今日は暑いから夕方まで外に出ない方がいいよ。」
と言われて
そんな、夕方まで待っていたら1日が終わっちゃうよ
と外に出たら、本当に死ぬほど暑くて真っ赤になって帰ってきて
それ以降、本当に暑い日は外なんて出ないことにした。
それくらい13年前のイタリアの6月は暑くて
でも家の中に入るとヒンヤリと涼しくて
クーラー嫌いの私はカラッと乾燥した暑さに
心地よさを感じながらも
言葉の壁と、慣れない生活に疲れては爆睡する毎日だった。
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