一部引用
「物語には、マーサの心に響く歌をはじめ人生を真剣に見つめる眼差しが溢れ、ヴァンパイアものとしては異色のハートフル・コメディに仕上がっている。現代の社会問題をスパイスに取り入れた台詞や設定、青春映画のような爽やかさと甘酸っぱさ。そんな多様な味わいを・・・」
う~~む うまくほめてあります
。わたくしの感想は・・・宝塚では通用するのでしょうけど ちょっと子供っぽいラブコメ?
部分的に 若手向けのバウホール公演に思えた。
楽曲もしかり ♪二人で奏でるメロディ~♪とか ♪お葬式は~死者を敬い~♪」とか あまりにも歌詞がそのまんま過ぎて さほどじんわり沁みんかった。
多くを思い出せないが、 脚本家は 国際情勢 宗教 科学 ちょっとだけ医学的な小ネタを物語にいろいろ入れ込み 一般人でもよく耳にする程度の専門用語を頻用、で 登場人物がいちいち用語説明すんの、 直接的に あるいは例を用いて。
で、その用語そのものが物語においてさほど重要性がないもんだから セリフが脚本家の言葉だとすれば ちょっとしゃべりすぎ、うんちくおじさんの多弁、 “スパイス”になっているとは受け取れんかったわ その中に是非家に持ち帰りたいメッセージはわたくしにはない。
しかし 多弁な民間軍事会社顧問、大統領補佐官、ES細胞研究者ら各々の欲得のターゲットたる退化ヴァンパイアはどこか朴訥としており多くは語らず限りある命の煌きに価値を見出したりして別次元のところにいる この対比は 案外演出家の作戦としてそれなりに効を成していると言えるのか・・な?
上田久美子さんの脚本のように詩的なセンスに乏しいが 石田昌也さん独特のおっさん風ユーモアはあり まあ こんなんもありかな (でも本当にいい脚本演出だったなという感動はないな) という感じでした。
宝塚ファンの方の評判はどうなのでしょうね。
でもでも 真風涼帆さんの作られた退化ヴァンパイア=アルカードは作りすぎた感がなく穏やかで朴訥として素敵だった~

こんな人と供に白髪の生えるまで一緒に生きていけたらどんなに心穏やかでハッピーだろう (私が養うから束縛しないから吸血の過去受け入れるから同居して~!) と思わせる 己に芥子粒ほど内在する母性がくすぐられると同時にファザコン要素(平均的な程度)もな~んかくすぐられる
。来し方が長すぎて人間基準では現代人にややついていけてない独自のスピードと様々なものを見てきた深さ長さがが 眉から目のメークにも現れているような気がする ご自分でメークするのよね すごいなあ・・・

同時に「本能を呼び覚ますのだあ~」なんてそのまんま漫画的セリフにはずっこけたけれど 吸血本能発現時の独特の妖気と凄みも 元から持ち合わせておられるように思える点 神秘だなあ・・・

乱闘シーンがリアルでぎくっとした、宝塚の乱闘シーンって迫力なくて笑っちゃ~うと思ってきたが 大盤振る舞いせず拳の一撃で相手の肋骨折っちゃうの たぶん多発粉砕骨折(痛苦しいぞ~) かっこいい、 暴力はやめてって思わない、 殴る真風さんがカッコいいのではなく真風さんにより表出された殴る男の様式美がカッコいい、 やや怖いがその芸術をずっと見ていたいと思わせる
。で エピソード毎の真風さんの表現を総合して一人の人物(またはヴァンプ)像としてつじつまが合っているのかと問われれば私にはよくわかんないけれど 惹かれる 全部が好きである
。衣装が どれもこれも似合う似合う お似合いすぎて観客喜ばせな恣意的コスプレには到底見えないほどに自然すぎる・・・
中でも古典的なヴァンパイアの衣装は 古い外国映画から抜け出たよう。
ちょっくら拝借

喪服姿は 萌えるしかないし・・・
フィナーレナンバーの 特に男役が2群に分かれ下手上手に逆三角形に配列する舞踏場面は おしゃれな髪形も含め ともに観劇した同僚の言葉を拝借すると“破壊的なカッコよさ”
。九州弁 もっともっと聞き続けたかった 九州の翁も演じてほしいと思うほどに。
客席通路の傾斜を降りて来られるお姿 あんまり後ろを振り向きすぎると 振り向かない後ろのお客さんと目が合って恥ずかしいけれど 後光(ライト)が輝く真風さんのシルエットは芸術的に美しく このviewは絶対にDVDには残らないから何が何でも1秒も欠かさず貪欲に強欲に追視し続け記憶に残さないと絶対に損!!!
白状すると 演技も歌唱も舞踏も ちょっぴりだけど若手臭の残る演者さん(そこがかわゆい)であると思っていたのですが・・・ 騙されました、 そこにおられるのが至極当然であるかのようにど真ん中に堂々と しかも嫌味なく。
宝塚の男役スターさんとしては勿論だが より俳優として、煩悩ではなく芸術として(言い過ぎ?)益々ハートを持って行かれる今日この頃。
これからまだまだ色んな役を演じられるのを観れる どのような役でも本当にワクワク相当楽しみです。
星風まどかさん:まだ若いジェンヌさんのようですがすでに何でもできる舞台女優、人間になり年齢を何歳とするか不明のアルカードが その若い真っ直ぐに己に向かってくる命に惹かれたのが実に納得できるルーシー像を演じてはりました。
華形ひかるさん:益々堅実な演技者
愛月ひかるさん:ソロ歌唱がよかったです かっこいい現代人。
怜美うららさん:やはり最強大物女優
和希そらさん:若いのに既に何でもできる筋のいい人
主演舞台の稽古期間って 相当な集中力を要し考察や想像を膨らまし 記銘、反復、鍛錬、創意、工夫、体力維持とバランス分配検討など相当神経を研ぎ澄まさねばならない中 御出身地の震災被害に心を痛めるもそれを振り切らざるを得ないお立場であったと想像しますが その結果実に落ち着いた舞台パフォーマンスを展開されていました。
尊敬と感謝をこめ 大阪公演千秋楽 おめでとうございます。