望海風斗(のぞみふうと)さん お見事すぎて ぼぼぼ~ぜんの巻。
「アル・カポネースカーフェイスに秘められた真実」
作演出 原田諒 大空祐飛さんや凰稀かなめさんのさよなら公演を演出した方です。
映画製作目的でアル・カポネを刑務所に訪ねた脚本家に アルカポネ自身が虚と実を語る形式で ギャング予備軍時代から失脚までをわかりやすく描いた作品。
米の禁酒法時代を象徴する効果として用いられた舞台上に鎮座するでっかい酒樽、それを裏返せば どこかの部屋や場面になる仕掛けでした。
その割に そんなに酒酒していないのは やはり宝塚だからかな?
セルロイドの巨大ケース内にどこかの部屋をしつらえた舞台装置が美しすぎた「海辺のカフカ」を少し思い出しました(全然違うけど)。
アル・カポネについても 直前に簡単予習した程度にしか知りませんが、 少なくとも望海さんが演じるアルを ①ギャング予備軍期 ②家庭内 ③ギャング業務中 に分けて感想もうせば。
①ギャング予備軍青年期
やや細目流し目の人だと思っていたが なんであんなに舞台上で笑う目がキラキラ目でお人よしがにじみ出るのだろう。 顔面切創受傷後だというのに ♪「これは恋~♪」と心で歌うかのようにこぼれる笑みは まさに“人が恋に落ちた瞬間”の表現だった。
ベッドで横たわる美しい閉眼の横顔に惚れ惚れ、 キスシーンも変な“タメ”がなく 普通の街の青年の吸い付くよう(にわたくしには見えた)な現実に近いそれに 腐女のわたくしは心で叫びました 「結婚して~~~~!」
②家庭内
家族をいたわるFamily manの側面では 頼もしさと優しさと愛と父性がにじみ出ており (望海さんのお父様が素敵なお手本なのかな?) とにかく大いにこう叫びたい「結婚して~~~!」
③ギャング業務中
悪い手段でお金儲けの算段をする際の 右眉と左眉非対称なフォルムと“すわった眼“が 望海さん独特の個性で好きです。
子分願望で付きまとう新聞売り少年を激しく叱責するシーンや 一幕の最後だったか 裏切り者を殺生するシーンは その殺気に観る者は声を失う感じ、 どっからみても“宝塚の任侠ごっこ”ではない迫力だった。
裁判において 成功者がすべてを失うシーンの“茫然自失”の気迫、
悪徳弁護士に裏切られたとはいえギャングが裁判で成敗されるのですから 本来同調して泣くシーンではないのですが 失脚した大物一個人の叫びと “ここまでやるか望海風斗”に感動し涙が分泌され鼻腔に至るも必死ですすり泣きを辛抱している人たちの“遠慮啜り泣き”の音が客席に密やかにしかし多く聞かれました。
恐らく物語の主人公はところどころ美化されていると思うのですが 恐らく望海さんなりの解釈で美化しすぎず 昔助けた青年(現在実は捜査官)にほろり気を許してしまうところまで一貫して矛盾なく演じておられたように思うので 結構真剣に観てしまいました。
美貌だけれど 演技ゆえところどころ蛇のような強烈個性の 見ようによっては泥臭いおっさん顔、 お美しい宝塚において華より人物像に迫ることを最優先し やや小柄なのに爆発的なエネルギーを発する そんな姿が 全人的に超かっこよすぎて超愛しい。
想像ですが ファンの方のお気持ちが よ~くよ~くわかりました。
歌と芝居はいわずもがなですが 舞踏もどの一瞬を切り取っても遠心力重力などの力学にまかせっきりのだれたところが全くなく 優雅な部分においては素人が見ても蘭寿さんテイスト そして ワルで粋な部分においては往年の世良正則風(わかっていただけるだろうか)でしかもキレがある。
宝塚のスターさんの中でも ここまで素人くささがどこにも見えず個性と面白みにあふれた人は稀有だ と わたくしは思う。
わたくしは人の顔と名前を覚えるのが本当に苦手なのですが 雪組さんの小劇場作品 「心中・恋の大和路」とこの度の「アル・カポネ」を観劇しかなり顔だけは覚えました。
こうやって 観続けることで親しみが増していくのだろうな。
次回作でご芳名も覚えていきたいです。
物語が物騒になりすぎないように ワルを楽しく時に黒かっこよく演じられた若手の男役の皆さん ええ感じでした。
大湖せしるさんの大人のしっとり声しっとり演技も素敵で 西洋の映画女優のようなたたずまいです。
やはり 雪組の娘役さんのコーラスはどこよりもきれいと確信、 しかし 娘役さんには見せ場の少ないやや気の毒な作品です。
娘娘していない大人っぽい方が多いですね いい感じです(が 同時に花組の娘役はかわいい人が多いってほんとだなって思ってしまいましたごめんなさい)。
約30年前 わたくしがヲタをしておった頃まだ星組の新人であった夏美ようさんがあまりに強烈個性のベテラン俳優で 一幕 パパジョニー 二幕 財務長官 どっからみても一人2役なのに 少し笑ってしまいました。
そしてこの度 ご芳名は存じませんでしたが真那春人(まなはると)さんという方が 底辺の新聞売り少年がカポネに憧れ必死で働きを見せそこそこ上位ギャング=カポネの右腕にまでのし上がった様が あまりに“そのもの”で お見事な演技者だと思いました。
雪組 今後数年間 ずっと楽しみです(芝居は)。
パンフレットより

物騒すぎる役も望海さんが演じれば なんか愛すべき人
「結婚して~~!」
けいこ風景
それは 元が なんかかわいい人だからでしょうか。

”片手にピストル”の 頸部から肩から上腕から前腕から手指先端に至るまで 小道具も含めなんかかっこいい宝塚